検討の結果、スマートウオッチはST上昇を感度93%、特異度95%、ST上昇のない心電図変化を感度94%、特異度92%で検出できた。また、健常者対象の検討では90%の確率で、心筋梗塞でないことを判定できた。

 ただ、スマートウオッチには自動診断機能はなく、医師の判読が必要だ。それでもIndolfi氏は、「Apple Watchがあれば標準的な心電図と同程度の信頼性を期待できる、9誘導心電図検査を実施可能」とし、「心筋梗塞は治療開始が早ければ早いほど予後が良いため、この点は重要だ」と強調。特に緊急性がより高いST上昇型心筋梗塞では、迅速な治療の開始が予後に大きな影響を与えると解説している。

 米アーマンソンUCLA心筋症センターのGregg Fonarow氏は、今回の報告を「実行可能性の検証を目的とした研究であり、その結果、スマートウオッチを使い複数の誘導データが得られることが示された。しかもその結果は、標準的な心電図のデータとの一致率が極めて高かった」と評価。その上で、「さらなる研究が必要ではあるが、標準的な心電図検査を実施できない状況下で心筋梗塞が疑われる患者が発生した場合などに、スマートウオッチを利用することで迅速な診断と治療を開始できるかもしれない」と話している。

[HealthDay News 2020年9月1日]

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