高血圧患者に対し、家庭での血圧測定に加えて遠隔医療で治療介入した結果、心血管イベント発生率の抑制傾向が認められたとする前向き研究の報告が、「Hypertension」8月31日オンライン版に掲載された。イベント発生率が減ることに伴い、トータルの医療コストも低下するという。

 米国の医療サービス機関であるHealthPartners InstituteのKaren Margolis氏らは、ミネソタ州内16カ所のプライマリケア医の高血圧患者のうち、血圧が140/90mmHg以上(糖尿病や腎疾患がある場合は130/80mmHg以上)のコントロール不良患者450人を、通常医療群(222人)と遠隔医療群(228人)に無作為に二分し、前向きに追跡。心血管イベントの発生率と医療コストを比較した。

 遠隔医療群では薬剤師が家庭血圧の測定結果を遠隔モニタリングし、患者へ電話をかけて、副作用の確認、生活習慣の助言、および必要に応じて処方薬変更の提案などを行った。電話連絡は、介入開始から半年間は2週間ごと、その後は2カ月ごとに、介入開始から1年が経過するまで続けられた。心血管イベントは、一次エンドポイントとして、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、心不全入院、心血管死の複合エンドポイントを設定。二次エンドポイントには、これらに冠動脈血行再建術を加えた。

 介入開始から18カ月間、遠隔医療群の血圧は通常医療群に比べて7~10mmHg低値で推移した。介入開始後5年間で心血管イベントが、遠隔医療群で10人に15件発生し(心筋梗塞5、脳卒中4、心不全5、心血管死1)、通常医療群では19人に26件発生した(心筋梗塞11、脳卒中12、心不全3)。これら一次エンドポイントの発生率は同順に4.4%、8.6%であり、オッズ比0.49(95%信頼区間0.21~1.13、P=0.09)だった。血行再建術は遠隔医療群で2件、通常医療群で10件発生し、二次エンドポイントの発生率は5.3%、10.4%、オッズ比0.48(95%信頼区間0.22~1.08、P=0.08)だった。