アトピー性皮膚炎の小児患者の皮膚に、健康な人から採取した皮膚常在菌を移植することで、痒みや不快感が軽減する可能性があるとする小規模臨床試験の結果を、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のIan Myles氏らが「Science Translational Medicine」9月9日号に発表した。

 アトピー性皮膚炎は、皮膚の慢性的な炎症が原因で乾燥や痒み、うろこ状の発疹が生じる疾患である。米国アレルギー・喘息・免疫学会(AAAAI)によると、多くの患者が小児期に発症し、花粉症や喘息といったアレルギー性疾患を併発する場合も少なくない。

 アトピー性皮膚炎に対しては、局所治療薬や経口治療薬を含むさまざまな治療薬があるが、小児患者に使えるものは限られている。そのため、低年齢患者のための安全で効果的な治療を求める声は強いという。

 今回の臨床試験は、3~16歳のアトピー性皮膚炎小児患者20人を対象に実施された。Myles氏らは、健康な人の肌から、皮膚に常在するRoseomonas mucosa(R. mucosa)と呼ばれるグラム陰性桿菌を単離して培養し、砂糖水と混ぜた溶液を治療に用いた。この溶液を、はじめの3カ月間は週に2回、最後の1カ月間は1日おきに、4カ月にわたって局所に塗布した。過去の研究では、健康な皮膚から採取したR. mucosaの移植によってマウスのアトピー性皮膚炎が改善したことが報告されている。