その結果、4カ月後までに20人中17人で皮疹や痒みが50%以上緩和し、重い副作用は生じなかった。治療効果は、肘や膝の内側、胴部や頸部も含め、溶液を塗布した全ての部位で確認された。

 また、R. mucosaによる治療を受けた小児は、局所ステロイド薬の使用量を減らすことができた上に、アトピー性皮膚炎の症状を悪化させると考えられている皮膚常在菌である黄色ブドウ球菌の減少も認められた。局所ステロイド薬の使用はアトピー性皮膚炎の標準的な治療法であるが、皮膚が薄くなったり、皮膚線条ができたりするなどの副作用が起こり得る。

 さらに、治療終了から最大8カ月後でも、対象者の皮膚にR. mucosaが定着していることが確認され、この治療の持続的な効果が示唆された。

 アトピー性皮膚炎には、皮膚の細菌叢のバランスの乱れが関与していることを裏付けるエビデンスがあるが、「今回の研究結果も、既存のエビデンスに合致するものだ」とMyles氏は言う。同氏によれば、細菌叢には皮膚が日々受けた損傷を修復する働きがあり、特にR. mucosaは、皮膚の修復力を高める脂質を産生する可能性があるという。

 この臨床試験には関与していない米サンアントニオ小児病院のJohn Browning氏は、「アトピー性皮膚炎患者は黄色ブドウ球菌に感染しやすく、抗菌薬による治療が必要となることが多いが、R. mucosaが抗菌薬の代わりになり得るのではないか」と期待を寄せている。

 なお、Browning氏は、R. mucosaを用いたアトピー性皮膚炎の治療に関する別の臨床試験を実施している。ただ、同氏は、「この治療アプローチによる効果の程度は患者によって大きく異なる可能性がある」と指摘し、アトピー性皮膚炎の治療で重要な細菌は、R. mucosa以外にも存在する可能性があるとの考えを示している。

[HealthDay News 2020年9月15日]

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