日常的に眼鏡をかけている人は、新型コロナウイルスに感染しにくい可能性があるという研究結果を、南昌大学第二附属病院(中国)のYiping Wei氏らが報告した。研究結果の詳細は、「JAMA Ophthalmology」9月16日オンライン版に掲載された。

 この研究は、2020年1月27日~3月13日の間に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患して中国湖北省の随州市曾都医院に入院した276人(年齢中央値51歳、男性56.2%)の患者を対象にしたもの。対象者の大半は、疾患の重症度が中等度で、重症患者は14人(5.1%)だけだった。眼鏡を使用している対象患者は、眼鏡を使う理由や日中の使用時間、コンタクトレンズの使用やレーシック手術を受けた経験の有無に関する調査を受けた。

 その結果、眼鏡を使用していたのは30人(10.9%)で、このうち近視のため1日8時間以上眼鏡をかけていたのは16人(5.8%、平均年齢33歳)であることが明らかになった。過去に発表された研究によると、湖北省の7~22歳の学生の近視有病率は31.5%である。これらの学生は、2020年には42~57歳になっており、今回の研究対象者の年齢中央値に近い。このことからWei氏らは、研究対象になったCOVID-19患者における近視者の割合は、一般人口に占める近視者の割合よりもはるかに低いと結論付け、「眼鏡をかけていると手が目に触れにくくなるため、手からのウイルス感染が回避された可能性がある」と推測している。ただし、1日に8時間以上眼鏡をかけていても、COVID-19に罹患した場合の重症度は、正常な視力の人と同程度であった。

 米ジョンズ・ホプキンス健康安全保障センターのAmesh Adalja氏は、「この研究は観察研究であるため、確固とした結論を下すことはできない。しかし、この研究結果は、何かで目を保護することにより、感染リスクが低下する可能性のあることを示唆するものだ」と述べている。そして、「他の観察研究や、より詳細な研究を実施して、この研究結果を確認する必要がある。とはいえ、目の保護が重要であることを指摘する声は、高まりつつある」と付け加えている。