Mattle氏によると、これまでにもマルチタスク運動(複数の課題を同時にこなす運動)による介入が転倒予防に有望であることが示されていたが、ダンスベースの運動がそれに匹敵する効果があることは知られていなかったという。また、転倒予防にダンスが勧められることはあったが、その効果の裏付けとなるエビデンスはなかったとしている。

 同氏はまた、「話しながら歩くといったマルチタスクを実行する能力は加齢に伴い衰える。これに対し、ダンスベースの運動は頭を使いながら身体を動かすために、予想外の状況に陥った時でも瞬時にバランスを保持して対応するための良い訓練になる」としている。ただし今回のメタ解析から、ダンスが転倒防止につながるとの因果関係が証明されたとは言えず、「今後のより質の高い臨床試験で検証する必要がある」と同氏は語っている。

 高齢者への運動介入効果を検証する別の研究を進めている米シダーズ・サイナイ医療センターのAllison Mays氏によると、一度転倒を経験した高齢者は再び転倒するのではないかとの恐怖のため、活動量が減ることがあるという。そして、「高齢者の転倒予防に最も有効な対策は運動である」と同氏は述べ、「健康的であり、かつ自分が楽しめる運動を見つけることが、継続のポイントだ」とアドバイスしている。

[HealthDay News 2020年10月1日]

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