さらに、介入群の園児から採取した血液を基に、サイトカイン〔IL-10、IL-17A、トランスフォーミング増殖因子-β1(TGF-β1)〕および制御性T細胞の割合などを分析し、皮膚細菌叢の多様性の増加との関連を調べた。その結果、皮膚細菌叢の多様性の増加に伴い、介入群の園児では、血液中のTGF-β1レベルと制御性T細胞の割合の増加、およびIL-17Aレベルの低下が認められた。TGF-β1には抗炎症作用があり、制御性T細胞には過剰な免疫反応の抑制作用がある一方、IL-17Aは自己免疫疾患の発症に中心的な役割を果たすとされている。このように、多様性を持つ自然環境に子どもを置くことは、子どもの体の細菌叢に多様化をもたらし、免疫機能も改善される可能性のあることが示唆された。

 これらの結果について、この研究には関与していない専門家の一人で、米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)のJack Gilbert氏は、本研究で、子どもを自然環境に置くための包括的な手法が取られた点を高く評価する一方で、規模が小さく、確認された効果量も小さい点を指摘。「今後、より多くの園で、より多くの小児を対象に研究を行い、検証する必要がある」との見解を示している。

 なお、Sinkkonen氏は、今回の研究で欠かせない要素は、土の表層に含まれる細菌だとの見方を示している。また、研究対象の子どもたちは、土を掘ったり、植物を植えたりするなど土にまみれながら活動的に遊んで過ごした点を強調。「草木を植えただけでは効果は得られない可能性が高い」と話している。

[HealthDay News 2020年10月15日]

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