手術後に実施する「ドレナージ」。体内から体外に体液を排出するため、「ドレーン」(管状の医療器具)を用いて実施する処置だ。これが安全に機能しているかを監視するためのアプリ「SurgCare」を、台湾・長庚大学の研究グループが開発。その実用可能性について、医療情報の専門誌である『Journal of Internet Medical Research』で2020年8月に報告した。

 ドレナージは外科手術の種類によっては欠かせない一方で、効果的かつ安全に行うための管理には課題も残されていたという。その一つが、患者が自分で排液量や状況を記録する必要がある点だ。

 高齢者や認知機能が低下している場合には記録が難しいこともあり、内容の信頼性が低くなる。適切に状況を把握できなければ、問題があるときに対処できず、回復の遅れや身体的な損傷、合併症につながる可能性があった。

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 そこで研究グループは、アプリの活用に目を付けた。開発したアプリは、排液量や傷口の写真を簡単にメモ付きで管理できる。情報はサーバー上に蓄積され、遠隔から簡単に状況を監視することが可能となっている。

 このアプリの実用性を確かめるため、研究グループは、手術を受けた患者本人が難なく使えるのか、合併症の発生率や予期せぬ再入院の発生率に変化はあるのかなどを検証した。対象は、胆道または腹膜のドレナージ処置を受けた80人。このうち50人にSurgCareを使用してもらい、残り30人には従来の方法で管理してもらった。