夫婦や同棲関係にあるカップルは行動パターンが似ており、共通した心疾患のリスク因子を抱えている場合の多いことが、米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院のSamia Mora氏らの研究から明らかになった。この研究結果は、「JAMA Network Open」10月26日オンライン版に発表された。

 Mora氏らはこの研究で、2014年10月~2015年8月の間に企業の従業員向け健康増進プログラム(ウェルネス・プログラム)に参加した、米国の5,364組のカップル(1万728人)を対象に、心疾患リスクと生活習慣について調べた。同プログラムでは、質問票や診察、臨床検査によって従業員の健康状態が評価された。対象者の年齢中央値は、男性50歳、女性47歳だった。心疾患のリスク因子としては、米国心臓協会(AHA)が提唱する“Life's Simple 7(LS7)”で示された「喫煙」「身体活動」「食事」「脂質」「血圧」「血糖」「BMI」の7因子について評価を行い、それぞれの因子および全体的な状態(心血管健康スコア)を、「不良」「普通」「理想的」の3つのカテゴリーに分類した。さらに研究グループは、2014年10月〜2018年12月までの5年にわたり、毎年同じプログラムに参加した2,186組のカップルを対象に追跡を行った。

 その結果、個人レベルでは、心臓の健康状態を示すスコアが「理想的」だった人の割合は12.1%に過ぎなかった。個々のリスク因子に関しては、「喫煙」、「脂質」、「血糖」については50%以上の人が「理想的」に分類されたが、「BMI」と「身体活動」については、25%以上の人が「不良」に分類された。

 次いで、対象者をカップル単位で検討すると、50%以上のカップルがLS7のリスク因子の全てと生活習慣、心血管健康スコアを共有していることが明らかになった。「理想的」に分類されたのは、喫煙(60%)と血糖(56%)であり、その反対に、「理想的」なレベルに達しなかったものは、健康的な食事(94%)、身体活動(53%)、心血管健康スコア(79%)であった。また、脂質を除く全てのリスク因子で、カップルのうちの一人が「理想的」に分類されると、もう一人も同じカテゴリーに分類される可能性の高いことも判明した。さらに、5年にわたる追跡の結果、血圧の分類が一致したカップルの割合が55%から59%に軽度増加した一方で、血糖の分類が一致したカップルの割合が64%から59%に軽度減少したものの、その他の因子には、相対的に変化が認められなかった。