プライマリケア医療の担い手不足と偏在、国家レベルでの後押しも

 研究グループによると、1996年から2015年にかけて中国の医療従事者の数は674万人から1069万人へと58.6%増えたものの、専門医療ではない、総合的に第一線の診療にかかわる「プライマリケア医療」に関わる医療従事者は132万人から103万人に減ったという。しかも、規模上位100位の総合病院の半数以上が北京、上海、広東省に偏る一方で、西部12省、自治区では100位以内の病院は重慶省、四川省、山西省にしかないという偏在が顕著になっている。

 この第一線の医療の担い手不足と偏在の問題解決に、mHealthのニーズが強まっているというわけだ。中国で進む通信インフラの整備もmHealth勃興の背景にあるようだ。同国の国家統計局データによると、2015年末までに経済的な発展が遅れている地域であってもブロードバンドネットワークのカバー率は78%に達しており、全国では94.5%。2016年末までに携帯電話ユーザー数は13億2000万人に達しており、健康管理アプリは2000以上となっている。

 中国政府がmHealthの浸透に向けた動きを後押ししているのも大きいという。中央委員会と国務院の執行会議を主宰している李克強・中国国務院総理が、国家レベルでmHealthのサービスを推進している。国家主導によって普及が加速する同国ならではの動きが垣間見える。

(タイトル部のImage:Romolo Tavani -stock.adobe.com)