手指で操作できるタッチパネルを使った、コンピュータベースの認知症リハビリが認知機能の維持や情緒および行動異常の改善に成果を上げている。開発を進めるスペインのリオオルテガ大学病院やサマランカ大学などを中心とした研究グループが、医療情報の専門誌『BMC Medical Informatics and Decision Making』に2020年10月に発表した。

テレビのように高齢者も使いやすく

 研究グループが開発しているのは、「GRADIR」というソフトウエア。認知障害の症状を示す人がタッチパネルで課題に取り組み、認知スキルを高められるように設計されたプログラムだ。認知症と一口にいっても病態はさまざま。そこでこのプログラムでは、利用者にはどのような認知プロセスの問題があるか、悪化レベルがどれくらいかに応じ、認知トレーニングを個別化できるようにしている。課題は本人の症状についての評価に基づいて調節される。

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 インターネットを介して自宅でも利用可能。認知機能の落ちた高齢者でも簡単に扱えるよう、なじみのあるテレビに近いユーザーインターフェイスにしている。セッションの終わりに毎回、スコアとスキルについてのフィードバックを受けられ、モチベーションを高める仕掛けもある。1カ月ごとに医師などは結果に応じてリハビリ計画を変更。ビデオ会議でコンサルテーションも可能だ。神経心理学的な評価はレポートとして出力できて、関係者との連携などに利用可能だ。