男性と女性では、体のどこに脂肪が多いかにより大腸がんリスクに与える影響が異なることを、英ブリストル大学細胞分子医学科のEmma E. Vincent氏らが報告した。この研究の詳細は、「BMC Medicine」に12月17日報告された。

 Vincent氏らは、5万8,221人の大腸がん患者および6万7,694人の大腸がんではない対照群のデータを解析した。解析にはメンデルのランダム化法を用い、遺伝情報を体重の代替指標とすることで、BMIとウエスト・ヒップ比(WHR)の2つの体脂肪の指標が、男性と女性の大腸がんリスクに及ぼす影響を検討した。BMIは体内の脂肪量の尺度であり、WHRは腹部脂肪の尺度である。

 その結果、男性ではBMIが高いほど、大腸がんリスクが高まることが明らかになった。具体的には、男性ではBMIが4.2kg/m2増加すると大腸がんリスクが23%上昇したのに対して、女性ではBMI 5.2kg/m2の増加に対するリスク増加は9%であった。

 一方、女性ではWHRが高いほど大腸がんリスクが高まることが判明した。すなわち、女性ではWHRが0.07増加すると大腸がんリスクが25%増加したのに対し、男性でのリスク増加はわずか5%であった。

 こうした結果を踏まえてVincent氏は、「体脂肪と大腸がんリスクの関連の男女間での違いを検討したものとしては過去最大規模であるこの研究により、がんの予防には、男女差に配慮したアプローチが必要であることが明らかになった」と結論付けている。