ブロックチェーン技術のヘルスケア分野への応用研究が活発になっている。ノルウェー科学技術大学の研究グループが、医療情報の専門誌『International Journal of Medical Informatics』で2020年に報告した内容によれば、特に、電子健康記録(EHR)や個人健康記録(PHR)の情報共有に向けた活用の研究が多いという。

ブロックチェーン技術の特性はヘルスケア情報の管理にも役立つ

 ブロックチェーン技術は、ビットコインに代表される暗号通貨の分野で、実用に堪える技術と認識されるようになった。同技術の要諦は、データが集中的に中央サーバーなどに蓄積されるのではなく、「ノード」と呼ばれる端末にデータが分散して管理されて、端末すべてが同じ情報を保有する点だ。このため端末一つの情報を書き換えても、他の端末と整合性が取れなければ書き換えは無効になり、データの改ざんができない。

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 これはデータの信頼性の高さにつながる。さらに、多数の端末でデータが保管されるので、データ消失の恐れがないのもポイントだ。堅固なセキュリティーを安価に実現できるのもメリットになる。こうしたブロックチェーン技術の持つ特性は、ヘルスケア情報の管理にも役立つと目されている。

 このたび研究グループは、過去に報告されたブロックチェーン関連の研究をレビュー。2016~2018年にかけて報告された研究を対象として品質評価を行った上で38の研究に絞り込み、ヘルスケア分野でのブロックチェーン技術の応用の現状や課題を分析した。ブロックチェーン技術がどのような用途で用いられようとしているのか、今後の方向性についてどのような展望が示されているのかなどを調べた。