米食品医薬品局(FDA)は4月9日、大腸内視鏡検査(コロノスコピー)中に、大腸がんの可能性のある兆候を人工知能(AI)によりリアルタイムで検出できる初めてのデバイス、GI Geniusの製造販売を承認したことを発表した。

 米国立衛生研究所(NIH)によると、米国での大腸がんによる死亡者数は、全てのがんによる死亡者数の中で3番目に多い。大腸がんは通常、大腸(結腸、直腸)や肛門に発生したポリープや前がん病変などががん化して生じる。医師は、大腸がんスクリーニングやサーベイランス計画の一環として大腸内視鏡検査を実施し、大腸内側の粘膜に変化や異常が生じていないかを確認する。

 GI Geniusには機械学習をベースにしたAIソフトウェアが組み込まれている。このAIが、大腸内視鏡検査中に内視鏡のビデオ画像をリアルタイムで解析して、ポリープなどの異常が疑われる部位を検出し、ビデオ画像上に緑の枠でその部位を強調表示する。このデバイスは、FDAが承認した多くの標準ビデオ内視鏡システムと互換性を持つように設計されているという。

 FDAの今回の承認は、大腸内視鏡検査を受けた40~80歳の患者700人を対象にGI Geniusの安全性と有効性を検証した、イタリアの多施設共同ランダム化比較試験の結果に基づいている。このうち、3年以上の間隔をあけて大腸がんのスクリーニングまたはサーベイランスを受けていた263人の患者を対象に一次解析が行われた。これらの対象者のうち136人はGI Geniusを用いた大腸内視鏡検査を、127人は大腸内視鏡検査のみを受けていた。

 その結果、生検で確認された腺腫またはがん腫を1つ以上有する患者を検出できた割合は、GI Geniusを用いた大腸内視鏡検査では55.1%だったのに対して、通常の大腸内視鏡検査では42.0%にとどまっていた。ただし、このデバイスは、病変の特徴を明らかにしたり分類したりするためのものではなく、また、診断のための生検に替わるものでもない。その目的は、大腸内視鏡検査中に、内視鏡の視野内で異常が疑われる部位を特定することにある。

 FDA医療機器・放射線保健センターのOffice of Gastrorenal, ObGyn, General Hospital, and Urology Devicesで局長代理を務めるCourtney H. Lias氏は、「大腸がんのスクリーニング中に見落とされた病変が、その後、熟練した臨床医にとってさえ厄介な問題になる可能性があることは、複数の研究により明らかにされている」と指摘。その上で、「AIは医療に変革をもたらす可能性を秘めている。従来の大腸がんのスクリーニングまたはサーベイランス方法にAIを組み合わせることで、治療が容易な早期の段階で異常を発見できる可能性があるからだ」と期待を寄せている。

[HealthDay News 2021年4月13日]

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