心電図にAIを適用して、心不全を自動検出し、重症度判定も行う──。SIMPLEX QUANTUMは東京大学と共同で、そんなシステムに関する特許を取得したと発表しました。心不全は、一旦発症すると、再発と寛解による入退院を繰り返す不治の病。そのため、再発を軽度の症状の内に早期に発見し、生活指導や外来投薬治療を行うことが重要となります。しかし、現時点では軽度の心不全の検出は症状のみで判断されるのが実情です。
今回の特許取得により、心不全発症時に病院受診を促すシステムを構築することも可能になる見込み。医師へ発出される心不全アラートにより、患者に早期受診を促しながら、より早期に治療を行うことができるようになれば、医療関係者の負担軽減や医療費の節減につながるといえます。(庄子 育子=Beyond Health)
以下では、2021年5月31~6月4日に配信されたプレスリリースの中から編集部がピックアップしたものを【ビジネス】【プロダクト/サービス】【要素技術】に分類しました。各項目をクリックすると、それぞれのプレスリリース(WebサイトやPDFなど)にリンクいたします。
【ビジネス】
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NECと東京医科歯科大、ヘルスケアサービス「NECカラダケア」の実証事業を開始
第一弾として一人ひとりの健康状態に合わせた身体のケアを支援する「フィジカルケア」のサービスを提供開始 -
青森市とフィリップス、健康まちづくり拠点「あおもりヘルステックセンター」の運用を開始
予防MaaSで取得した健康データ分析やIoTを活用したみまもり実施 -
凸版印刷と順天堂大、共同研究講座「救急AI色画像情報標準化講座」を開設し医学領域における画像データの真正性に関する共同研究を開始
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SIMPLEX QUANTUMと東大、心不全AIを用いた研究課題「遠隔医療における心不全早期検出システムの実現」が、AMEDの「医療機器等における先進的研究開発・開発体制強靭化事業」に採択
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帝人ナカシマメディカル、特殊な微細構造を有する脊椎固定用デバイス「UNIOS(ユニオス)PLスペーサー」が保険収載されたことを発表
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Heartseedとノボノルディスク、重症心不全を対象とするiPS細胞由来心筋球を用いた再生医療に関し全世界での技術提携・ライセンス契約を締結
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アース製薬、エースネット開発の革新的酸化制御技術「MAT(Matching Transformation System)」の提供を開始
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メドレー、「CLINICSオンライン診療」利用医師に対して発熱患者におけるオンライン診療の活用についてアンケート調査を実施
【プロダクト/サービス】
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MICIN、J:COMのケーブルテレビを活用したサービス 「J:COMオンライン診療」にオンライン診療サービス「クロン」を提供
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富士通、診療所向け電子カルテシステム「HOPE LifeMark-SX」とWelbyのPHRプラットフォーム「Welbyマイカルテ」を連携
慢性疾患治療や新型コロナワクチン接種に伴う体調変化などにも活用 -
メドピア、かかりつけ薬局化支援サービス「kakari」でかかりつけクリニック支援サービス「kakari for Clinic」とのアプリ連携を開始
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オプティム、「オンライン診療プラットフォーム」でApple Watchが測定した血中酸素濃度の参照機能などバージョンアップを実施
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マーストーケンソリューション、健診・人間ドック向けクラウドサービス「macmo(マクモ)」で3種類のアプリケーションを発売
【要素技術】
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北大、ティーエフケイが保有する有用菌RAP99由来のLPS(リポポリサッカライド)が 病態モデルにて抗がん・抗ウイルス作用を持つことを示唆
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信州大・京都府立大・イナリサーチ、遺伝子改変キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)療法の安全性を評価するための霊長類モデルを開発
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