仕事などで外出する親たちを介した、新型コロナウイルス感染の家庭内感染の増加が懸念されています。今回はそんな家庭内感染を防ぐ3つのテクノロジーを紹介します。1つは、外から部屋の中にウイルスを持ち込まないように靴底を殺菌するフットウエア除菌装置。靴のまま装置に乗ると、オゾン+紫外線C波(UVC)の光が下から靴に目掛けて照射され、8秒でウイルスを死滅させることができます。2つ目は、部屋の空気中のコロナウイルスを90%破壊する新型空気清浄機。3つ目は、紫外線の中で最も殺菌効果が高いUVC光、ダブルモーターブラシを備え、数秒でバクテリアやウイルスを除去するUVアレルゲン掃除機。眼に見えないウイルスと闘うための様々なツールを活用することで、自宅や学校、オフィスなどを通常の安心な空間に戻すことを目指します。


以下では、2020年5月4~8日に海外の企業・大学・研究機関・米食品医薬品局(FDA)等が配信したプレスリリースの中から、編集部がピックアップしたものを【ビジネス】【プロダクト/サービス】【要素技術】に分類しました。各項目をクリックすると、それぞれのプレスリリース(ウェブサイトやPDFなど)に移動します。

【ビジネス】

  • ・フットウエア除菌デバイス、8秒でコロナウイルスを死滅
  •  新型コロナウイルスが出現する前の2019年秋、起業家歴30年のベテラン、エド・マーセリノ氏が米国でBe U.V. Well社を設立した。この企業は、既にその頃から感染予防テクノロジーに目をつけ、オゾン+UVC(紫外線C波)のコンビネーションによる高性能の除菌技術で特許を取得。今回、同社が開発した「Footwear Sanitizing Station(FSS)」というフットウエア除菌デバイスの効果を試したところ、ヒトコロナウイルス(229E株)を8秒で死滅させることが分かった。

    Footwear Sanitizing Station(FSS)(出所:Be U.V. Well社プレスリリース)
    Footwear Sanitizing Station(FSS)(出所:Be U.V. Well社プレスリリース)
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     研究を行ったのは、カナダのCREM Co研究所。FSSはコロナウイルス229Eだけでなく、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)や真菌類を数秒足らずで99.999%除菌することが確認された。私たちは気づかないうちに病原体の運び屋となり、医療施設や研究所、食品処理場、清潔な部屋に持ち込んでしまうことがある。これらの菌はまず靴を通して地面に付着し、あっという間に手の届く範囲に広がり、人間の手から顔、そして身体の中に入る様子が様々な研究で確認されている。

     病原体の封じ込めが感染予防の鍵である。病院や高齢者施設などのハイリスクエリアの玄関先にFSSを設置して、施設に入る前に訪問者の靴に除菌光を照射してしっかり殺菌し、病原体の侵入を防ごう。FSSは靴カバーの除菌にも使用することができ、靴カバー替わりともなる。足元から安全を確保する強力な透明のバリアとして、脚光を浴びそうだ。
    PathO3Gen Footwear Sanitizing Station, distributed by Be U.V. Well, eliminates Coronavirus 229E in 8 seconds

  • ・あらゆるウイルスを90%破壊する最新空気清浄テクノロジー
  •  屋内空気清浄テクノロジーのリーダー、米HiTech Air Solutions社の新たな空気清浄機が、コロナウイルスを90%破壊することが分かった。第三者機関であるMicrochem研究所がこの空気清浄機を用いた実験を行い、シャーレに入ったコロナウイルスをたったの1時間で90%破壊することが証明された。コロナウイルスだけでなく、他の種類のウイルスに対しても同様の結果が出た。

     新型コロナウイルスは私たちの日常を180度変え、その影響はまだしばらく続きそうだ。この新たな空気清浄テクノロジーは、家の中や人が大勢集まるオフィスなどの空気を99%清浄し、これから通常通りの生活に徐々に戻るためのサポートとなる。この空気清浄機は、私たちが毎日吸い込むカビやバクテリア、ペットのフケ、その他のウイルスも破壊する効果がある。ウイルスにおびえることなく自信を持って通常の生活に戻り、部屋の中で安心して過ごすためには、ポジティブな思考で新たな方法を一つひとつ試しながら、前進するしかない。
    Lab Test Results Show That New Air Reactor Technology Destroys Coronavirus

  • ・レイコップのUVCがウイルスを死滅
  •  紫外線C波(UVC)がインフルエンザなどのウイルスを死滅させることが、北里環境科学センターの新たな研究で分かった。本研究はUVアレルゲン掃除機のメーカーであるレイコップ・ジャパン株式会社が委託し、今回注目したUVCの波形が紫外線A波(UVA)や紫外線B波(UVB)とは異なり、ウイルスへ最も高い効果を発揮することを突き止めた。

    UVアレルゲン掃除機(出所:RAYCOP社プレスリリース)
    UVアレルゲン掃除機(出所:RAYCOP社プレスリリース)
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     RAYCOP社は免疫学者のマイケル・リー博士が設立し、家庭の中のアレルゲンを除去し、患者が薬を服用しなくても症状が表れないようにする製品を提供している。同社が開発したRayCleanテクノロジーはウイルスや細菌、イエダニなどの有害微生物を99.9%除去することができる。

     RAYCOP社のUVアレルゲンハンドクリーナーRNは4段階のフィルタリングシステムを搭載。高性能空気清浄機、UVC光、ダブルモーターブラシを備え、数秒で布生地のバクテリアやウイルスを除去できる。UVCはイエダニの卵の孵化を抑える効果もあることが分かり、家の中のイエダニの数を減らすことができる。リー博士は「ステイホームを通してウイルスから身を守らなければならない今、家の中から健康に保つことが最重要だ」と語る。
    RAYCOP Products' UV Sanitizing Light Kills Viruses and Bacteria

  • ・肌の光老化を防ぐバイオセルコラーゲン
  •  活性2型コラーゲンとコンドロイチン硫酸塩、ヒアルロン酸を調合した、「バイオセルコラーゲン」という複合健康サプリに関する最新の研究結果が発表された。このサプリを毎日摂取した人は、サプリを全く摂取しなかった人に比べて主に紫外線B波(UVB)によって起きる光老化が抑制されたそうだ。特に皺や経皮水分喪失量が著しく減り、肌の弾力とヒアルロン酸含有量が増加するという、見た目にも明らかに分かる違いが出た。

     光老化とは慢性的なUVAとUVBへの暴露によって皮膚が変化すること。肌の変化の90%が光老化によるものだそうだ。肌栄養学の専門家であるブルック・アルペルト博士は「私たちは皆紫外線にさらされているものの、栄養サプリの摂取によって光老化を抑制する研究はほとんど行われていない」と語り、バイオセルコラーゲンの可能性に期待をかける。

     より健康的な肌を手に入れたいと願う人にとって、サプリは安全で侵襲性のない効果的な方法として毎日の習慣に取り入れたいアイテムだ。バイオセルコラーゲンは20年間の研究や臨床試験で、肌や関節、結合組織を若々しく保つ効果が実証されている。男性も女性も、日焼け止めとセットでこの科学的裏付けのあるサプリを毎日摂取し、永遠に輝く素肌を目指したい。
    Study Shows BioCell Collagen Ingestion Reduced Signs of UVB-Induced Photoaging, Which Accounts for a Significant Amount of Visible Skin Damage

在宅生活をクリエイティブにするスマホ日記アプリ

【プロダクト/サービス】

  • ・専門家が遠隔から3Dマーカーで指示、ARスマートグラス
  •  スマートグラスとAR(拡張現実)テクノロジーのサプライヤーである米Vuzix社の「Vuzix'M400スマートグラス」に新たなAR機能が追加され、パワーアップした。追加された機能は「TeamViewer Pilot」というもので、医療専門家や企業の技術者がスマートメガネを使用して、遠隔にいる他の専門家とつながり、PCやスマホにストリーミングしながら、3Dマーカーで実際のオブジェクトに描画、テキストの追加、タグ付けをして参照できるようにするものだ。

     分かりやすくいえば、スマートグラスに付いているVuzixM400のカメラが現場の人間の第二の目となり、遠隔にいる専門家がそのカメラを使って実際の問題を目で確認しながら問題解決の指示を音声やスクリーンに書き込み、具体的に現場の人に示せるようになる。オフサイトにいる専門家が、現場にいる従業員や顧客が問題を解決しやすいように、スクリーンに映る実際のオブジェクトをハイライトしたり、やり方を書き込んで指示を出したりしてサポートできる。遠隔にいる専門家はiOSかAndroidデバイスがあれば、Vuzixスマートグラスとつながることができる点も便利だ。
    TeamViewer's Pilot Application Now Supports Vuzix' M400 Smart Glasses

  • ・在宅生活をクリエイティブにするスマホ日記アプリ
  •  新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が終息するまで自宅で過ごすことを余儀なくされる中、健康的な規則正しい生活、集中力、成長を維持し続けることを難しく感じている人も多い。米Byber社はiPhoneで使用できる「My Daily Thoughts」というアプリを開発、私たちのクリエイティビティーと生産性の向上をサポートする。プロの小説家でなくても誰でもその日考えたことやそのときの気分、インスピレーションなどを徒然なるままに、iPhoneにちょこっとメモできるちょっと便利なツールだ。

    「My Daily Thoughts」(出所:Byber社プレスリリース)
    「My Daily Thoughts」(出所:Byber社プレスリリース)
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     「My Daily Thoughts」はデザイン性の高い、直感的に使えるユーザーインターフェイスが特徴。カレンダーを活用して、ユーザーはその日の日記を絵文字やテキスト、写真などで簡単に記録し、自分の成長を確認したり、こっそり反省したりするひとときを持てる。日記は永久に保管することが可能なので、将来懐かしく振り返る日が来るのも楽しみだ。

     日記は、パスワードもしくは顔認証IDでしっかりとセキュリティーも確保されているので安心だ。Byber社のクリストファー・キーア氏は「ステイホームが強制される中で、毎日考えたことを記録することは集中力を維持し、幸福度を高める良い方法。健康的にクリエイティビティーを発揮し、どこでもすぐに手元で使えるツールとして開発した」と述べた。無料日記アプリが多く出ている中、有料アプリはよほど使いやすく、見やすいものでなければ売れない。一方で、有料だからこそ「せっかくダウンロードしたから使わないともったいない」という気持ちになり、日記を毎日書くモチベーションが上がるかもしれない。家で過ごすことで時間の余裕ができた今こそ、3日坊主を返上して、日記の一つでも始めてみようかという気になる。
    'My Daily Thoughts' Provides a Creative and Beneficial Outlet to Record Daily Notes, Moods, Thoughts, and Inspirations

  • ・「アクションヒーローアプリ」で子供の喘息を自己管理
  •  春到来。外で身体を動かすには絶好の季節、子供たちも近場に出掛けずにはいられない。しかし、春と夏といえば、花粉や草、開花、カビ、菌の胞子、種などが増え、子供の喘息を引き起こす要素が多い時期だ。気管支喘息を持つ子どもの10人のうち8人は何かしらのアレルギーを抱えているといわれる。そこで、米国のThe Family Health Centers of Georgia社のヘレナ・ベントレー博士は「喘息アクションヒーローアプリ」という、子供の喘息の症状を正しく自己管理できるアプリを開発した。

    「Asthma Action Hero」(出所:The Family Health Centers of Georgia社プレスリリース)
    「Asthma Action Hero」(出所:The Family Health Centers of Georgia社プレスリリース)
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     このアプリは、喘息を抑えるためのアクションプランを立てられるようにデザインされ、喘息が起きやすい環境にいると通知で知らせてくれる機能もある。アプリの画面は小さな子どもでも自分で読んで理解できるデザインで、喘息とはどういう病気かを分かりやすく学ぶことができる。また、喘息管理プランを立て、重度な喘息発作が起きたときの症状の見分け方も提示してくれる。

     ベントレー博士は「たとえロックダウン中であっても、子供の喘息アクションプランを家庭で継続しなければならない。治療が適切かを確認し、通院も中断してはならない。喘息は慢性肺疾患でありCOVID-19に感染した場合、重症化するリスクが高いため、注意が必要」と指摘する。アプリは無料でダウンロードでき、毎年米国で4月の第1週に医療に対する意識を高めるイベントとして開催されるPublic Health Weekでは「テクノロジーと公共医療をつなげる革新的なアプリ」として取り上げられた。
    Asthma Action Hero App Could Help Children Stay Safe During COVID-19

使い捨て心電図遠隔モニタリングパッチ、欧州で販売開始

【要素技術】

  • ・音楽や瞑想を取り入れたデジタル療法コンテンツ、無料配信
  •  治療の新たな分野である「デジタル療法」のリーディングカンパニーである米Coro Health社。COVID-19が多くの人の生活に暗い影を落とす間、医学に基づいた音楽療法とスピリチュアルサポート・オーディオコンテンツを無償でユーザーに提供することを発表した。CoroHealth社の2つの主力サービスは、「Music First」と「CoroFaith」。3000以上のヘルスケアコミュニティーにおいて、何百万人もの人が利用しているサービスだ。

    「Music First」(出所:CoroHealth社プレスリリース)
    「Music First」(出所:CoroHealth社プレスリリース)
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     Coro Health社は2009年の創立以来、米テキサス州オースティン市に拠点を置き、デジタル療法界の先駆者として活動してきた。Music FirstとCoroFaithは世界で初めて医学的に証明された治療用オーディオストリーミングサービス(ストリーミング回数は4億回)として、心の不安、うつ症状、発作などを緩和する効果が実証されている。

     Music Firstは脳科学に基づく1500以上の音楽プログラムと1万9000曲以上の歌をそろえ、音楽から人が自然に受ける感情、精神、生理、行動への影響を踏まえ、音源に乗せて効果的に脳を癒すことができるサービスだ。CoroFaithは、多様な伝統やコミュニティー、宗教に合わせ、1000以上の瞑想やスピリチュアル動画コンテンツをそろえるデータベースだ。Coro Health社は米国の著名なデジタルプラットフォームプロバイダーやヘルスケアコミュニティーとも提携している。今私たちが直面する困難な状況の中、脳にスピリチュアルな良い刺激を与えることで健康を保ち続けたい。
    Coro Health to Deliver Free, Clinically Proven Therapeutic Music and Spiritual Support Services During the COVID-19 Crisis

  • ・使い捨て心電図遠隔モニタリングパッチ、欧州で販売開始
  •  米LifeSignals社の「ECG(心電図)リモートモニタリングパッチ」が欧州のCEマークを取得した。欧州のOEMやテレヘルスソフトウェアプロバイダー、医療機関での販売が開始する。ようやく、この次世代型使い捨てワイヤレスパッチを使用して、外出先でも自宅からでも患者の心電図と心拍数の遠隔モニタリングを行えるようになる。

    「ECGリモートモニタリングパッチ」(出所:LifeSignals社プレスリリース)
    「ECGリモートモニタリングパッチ」(出所:LifeSignals社プレスリリース)
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     LifeSignals社のパッチを使用して継続的に、信頼性の高いデータをセキュアなクラウドプラットフォームへワイヤレスで送信する仕組みが実用化されるのは初めて。医師は遠隔でデータにアクセスし、患者がどこにいても、迅速に診断ができるようになる。デバイスは互換性が高く、様々な遠隔モニタリング装置やモバイル心血管テレメトリーシステムなどに統合可能だ。既存のモニタリングシステムやクラウドシステムへ正確な医療データを送信することができるため、コストが低く済む。

     LifeSignals社CEOのサレンダー・マガー氏は、このパッチを「モニタリングシステムに今まで物理的につながっていた患者を、自由にするための重要な一歩」と説明する。このパッチは患者の心電図と心拍数の3日間のデータを取得可能。使い捨てできるため、感染を予防しながら費用を削減。軽量防水型で患者への負担が少ない。特許済のシングルチップLC1100ライフシグナルプロセッサープラットフォームは雑音の多い大病院内でも、患者データをセキュアに特定、保存、送信可能だ。
    LifeSignals Receives CE Mark Approval for LifeSignals ECG Remote Monitoring Patch Platform (LX1250E)

  • ・運動、健康診断、予防接種で福利厚生ポイントが貯まる
  •  スマートテック、データ、特典、行動経済学を取り入れる米国のヘルス&ウェルネス会社Vitality Group社。このたび、企業向け福利厚生サービスを提供するHealth Fitness社との戦略的パートナーシップを発表した。これにより、Vitality Group社はHealth Fitness社の100万人以上の加入者にサービスを提供する機会を得る。

     Vitality社CEOのタル・ギルバート氏は「従業員の健康管理を第一に掲げる企業が増加している。従業員が元気で健康的な食生活を送り、精神的にも強く、困難にも打ち勝つ前向きな力を持てるよう、クライアント企業をサポートする。Vitality社は行動経済学に基づく科学的に実証されたソリューションを提供し、従業員一人ひとりに健康的な生活習慣を根付かせていきたい」と述べた。

     Vitality社のプラットフォームは、オンデマンドレポート、モバイルアプリ、スポーツジムの記録、デバイスインテグレーション、進化し続けるニュースフィードなどを提供する。ユーザーは運動、コーチング、健康診断や予防接種を受けるとVitalityポイントを獲得し、ポイントに応じて割引サービスや特典を受けることができ、モチベーションアップにつながる。Health Fitness社は、コーチング、運動・けが予防・治療のソリューションをオンサイトとバーチャルの両方で提供しており、2社のコラボによりCOVID-19で在宅勤務が続く従業員の健康管理にも貢献する。
    HealthFitness and Vitality Group Announce Partnership

(タイトル部のImage:Photobank -stock.adobe.com)