新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止のためのロックダウンが各国で解除され、バーやパブ、レストランなど外食産業の新たな挑戦が始まっています。英国では、ある企業が政府の要請に応え、Track & Trace(接触者追跡システム)の提供を開始しました。顧客は飲食店を訪れると連絡先や来店時間を登録し、万一クラスターが発生したらすぐに連絡を受け取れるようにして、感染拡大を最小限に防止する試みです。このTrack & Traceをお店のロイヤルティープログラム(特典を付与するプログラム)と絡めて、経済を復活させることができるか──。「夜の街」のクラスター発生が問題視されている我が国都市部の感染拡大防止と経済復興にも役立つかもしれません。


以下では、2020年6月29日〜7月3日に海外の企業・大学・研究機関・米食品医薬品局(FDA)等が配信したプレスリリースの中から、編集部がピックアップしたものを【ビジネス】【プロダクト/サービス】【要素技術】に分類しました。各項目をクリックすると、それぞれのプレスリリース(ウェブサイトやPDFなど)に移動します。

【ビジネス】

  • ・接触者追跡アプリ連動ロイヤルティープログラム、飲食業を支援
  •  英国では、7月4日からTrack & Trace functionality (接触者追跡システム)などを使って全てのバーやパブ、レストランで訪れる顧客の情報を登録することが求められるようになる。万一店内でCOVID-19クラスターが発生した際、一定期間内に来店した顧客全てに連絡がつくようにし、感染拡大を防止する試みだ。英国では3カ月にわたったロックダウン(都市封鎖)が解除され、経済活動が新たな段階に入る中、ホスピタリティー産業の新たな挑戦が始まっている。

    Track & Traceシステム(出所:Loyalzoo社プレスリリース)

     COVID-19というピンチの中にチャンスを見いだすこともできる。このTrack & Traceがまさにそうだ。これからパブを訪れる顧客は各店舗に個人の連絡先を登録することを強く推奨されるようになるため、店側は顧客情報を収集しやすくなる。なかなか進まなかった店のロイヤルティープログラムがより充実し、リピート顧客による収入アップのチャンスが生まれる。これまでパブは1回のみの利用客が大半を占めていたが、今後は顧客が定着し、一度の飲食代金を増やす方向にビジネスの焦点を移すことができる。

     Track & Traceアプリを提供する英Loyalzoo社CEOのマシモ・シロラ氏は「このシステムは、一時的な危機対応策としてだけではなく、店舗が長期的に活用できるソリューションとなる」と語る。政府からの要請は個人の名前・連絡先・来店時間を、コンタクトレスで簡単に、衛生的に収集して保管すること。店はサービスを提供するだけでなく、訪れた顧客をモニタリングし、安全を確保する責任がある。顧客のメリットとしては、お店の品物を購入して個人情報を提供する代わりにポイントを獲得し、次回からの飲食の支払いに利用できる。ロイヤルティープログラムで好循環を作り出すのが狙いだ。Loyalzoo社のアプリは世界中で何千もの店舗に導入され、欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)に準拠し、プライバシー対策も万全だ。利用料は1カ月19ユーロ(約2300円)と店舗への導入も手軽にできる。
    Loyalzoo Releases Track & Trace Functionality to Help Bars, Pubs and Restaurants Rebuild Their Customer Base

  • ・空港の待ち時間にサクッとCOVID-19のPCR検査を受診できる
  •  ドイツEcolog社は、サービスインテグレーション、テクノロジー、環境ソリューション、ロジスティクス、エンジニアリング、建設に関するグローバルサービスを提供するEcolog Internationalグループの1社。今回、COVID-19研究所として登録されているPro Health Medical社と共同で、アイントホーフェン空港内にCOVID-19の検査センターを立ち上げた。この検査ステーションは市民だけでなく、旅行客もぶらりと立ち寄り、短時間でPCR検査を受けて、旅行や移動に伴う感染の不安を取り除くことが可能だ。

     Ecolog社のこのエコ・ケア・ソリューションは薬学・ウイルス学分野の戦略的パートナーと共同で開発され、スクリーニングテスト、診断ソリューションを提供する。ドイツ政府とLIH(ルクセンブルク・インスティチュート・オブ・ヘルス)が全国で実施したCOVID-19テストプロジェクトでも、このソリューションが大きな役割を果たした。

     空港の検査ステーションは、7月から運営を開始し、希望者は誰でも検査を受けることが可能だ。検査手順は最適化され、迅速に結果を確認できる。同社の「Das-Lab」アプリにユーザー登録すれば、事前に検査の予約をし、安全なプラットフォームを通して結果を電子的に受け取ることができる。Ecolog InternationalのグループCEOのアリ・ベズバエ氏は「当社のスマート・テスティング・プログラムが、新型コロナウイルスの第2波、第3波の影響を最小限に抑え、これ以上の経済的・社会的損害を防ぐ方法の一つとして活躍する」と語る。
    Ecolog Announces Walk-In COVID-19 Testing Facility at Eindhoven Airport

  • ・ロックダウンでストレスを抱える愛犬の認知力向上サプリ
  •  ステイホームで隔離を余技なくされているのは、人間だけではない。愛犬もだ。外で思い切り遊べる公共エリアが制限され、常に人間が家の中にいる状況も、犬にとっては正直ありがた迷惑だ。「過剰な愛情、家族全員がいることで狭くなる自分の空間、プライバシーの欠如により、不安とストレスを抱えるペットも少なくない」と専門家は指摘する。そして今度はやっと環境に慣れてきた頃に急にロックダウンが解除され、1日中一緒にいた飼い主と離れる時間が増えるとさらに混乱してパニックに陥る可能性もあるという。

     この新しい時代を一緒に生きる仲間として、犬の脳と体をサポートする必要がある。米Birdnip社は世界初、犬用のちょっとおしゃれなヘルスケアサプリ「The Full Stack」をオンラインで販売、犬の脳と体の機能をつなげて最適なパフォーマンスを発揮することを目指す。

     The Full Stackは販売以来世界各国で話題となり、その人気はBirdnip社も驚くほどだ。犬には人間と同じ感情と思いやりがあり、思考する動物であることを改めて確認して感動する飼い主が多い。The Full Stackは精神と体の両方に作用する自然由来の向精神薬とアダプトゲンをブレンド。アダプトゲンとは、ストレスに反応するシステムを調整する薬草であり、向精神薬と併用することで、犬の認知力を向上し、毎日を最適な状態で過ごすことができる。Birdnip社はエンジニアリングや研究、デザインを通して、犬の潜在能力を最大限に引き出す健康サプリを提供し、人とペットのより良い関係づくりを模索する。
    Stressed Pets During and After Quarantine? Birdnip Expands Line of Nootropic and Adaptogen Infused Dog Supplements