自動消毒システムを搭載するインドのCOVID-19検査キオスク

【ビジネス】

  • ・コロナ後の医療業界は? 米国調査会社の注目分野ベスト5
  •  米国の調査会社Frost & Sullivan社が最新報告「パンデミック後のグローバルヘルスケア市場動向2020」を発表した。ざっと内容を見てみよう。まず、2020年がヘルスケア業界にとって忘れがたい、変革の年となることは間違いない。市場全体で見ると、2020年は去年の5.3%の成長率から0.6%へと下がる予測だ。特に打撃を受けるのが、医療デバイスと画像処理デバイスの分野で、機器の調達の遅延が収益にマイナスの影響を与える見通しだ。

     一方で、テレヘルスが従来の治療スタイルに変革を起こし、アナリティクスやインターオペラビリティー(相互運用性)の分野でデジタルヘルスは2020年の年成長率が7.9%となる予測。特にサウジアラビア、UAE(アラブ首長国連邦)、インドではパンデミックの間にテレヘルス市場は200%という目覚ましい成長を遂げた。

     短期的にはワクチン開発競争が激化し、各政府が医療予算を再配分し、免疫パスポート、大規模な予防接種、接触確認ツールなどに力を注ぐ。長期的には、大手ヘルスケアIT企業がパンデミックや患者数の予測分析、服薬管理、被保険者の福利厚生の推進などにAI(人工知能)プラットフォームを活用する動きが高まると予想される。

     Frost & Sullivanが特に注目するのは次の5つのエリアだ。(1)オンライン診療、(2)AIを活用した医療ワークフローの自動化システム、(3)在宅治療用のリモート監視システム、(4)健康診断や抗体検査(IVD)の新しい検査法、そして(5)バーチャル臨床試験だ。2020年は世界で実施される臨床試験の33%が中止され、それによって新製品の収益として見込まれていた30億ドルが回収できないリスクがあるという。ヘルスケア業界が大きな分岐点をいかに乗り切るか、各企業の手腕が問われる。
    Frost & Sullivan Reveals Top Five Predictions for the Global Healthcare Industry Post COVID-19

  • ・自動消毒システム搭載、インドのCOVID-19検査キオスク
  •  インドのLam Research社のボランティア13人が、地元の医師5人と協力して新型コロナウイルスの検体を収集する「検査キオスク」を作った。ヒンズー語で「安全や保護」という意味を表す「スラクシャ」と名付けられた検査キオスクを使用すれば、医療スタッフは全身防護服を着用しなくても、患者との間に物理的なシールドを設けることで感染を防ぐことができる。

    COVID-19検査キオスク(出所:Lam Research社プレスリリース)

     新型コロナウイルス検査を行う上で、検査を実施する医療スタッフの感染防護具(PPE)の不足問題が挙げられる。Lam Research社が無償で製作した「スラクシャ」は、感染症の広がりを防止する効果が高いとしてインドのDepartment of Medical Educationの目に留まり、全国に広げられないかとの要請を受けた。そこでLam Research社は、CSR活動の一環としてスクラシャ増産のための資金を提供。1台のスクラシャだけで、1日平均200人の検査を行うことが可能だ。検査キオスク内の作業空間は加圧、空気清浄され、三面でサンプリングを行えるように設計。自動化された消毒システムと検体収集手袋が装備され、患者と医療スタッフの安全を確保する。ビルトイン消毒システムがあるおかげで、検体収集作業をスタッフ1人で完結することができる。

     Lam Research社は、経済的に弱い立場にある学生に対しSTEM教育を提供するなど、より良いインフラと経済的支援を提供すべく非政府組織(NGO)や学校と密接に連携する。新型コロナウイルスの影響をダイレクトに受けやすい人々を守るべく、地域社会と協力しながら難局を乗り越えるための貢献を続ける。
    Lam Research India Donates Funds to Address Local PPE Kit Shortage

  • ・200万人のバイヤーが訪れるオンラインビジネス展示会
  •  Global Sources社が、7月29日から8月9日まで、第1回グローバルソース・オンラインショー(GSOS)を開催する。このショーには世界中から約200万人以上のバイヤーがオンラインで参加予定だ。ショーは24時間体制で2週間開催され、約900社のサプライヤーと商談する場を提供する。

    第1回グローバルソース・オンラインショー(GSOS)(出所:Global Sources社プレスリリース)

     新型コロナの影響で、各国がロックダウンや渡航規制をしており、従来の商談スタイルが滞ってしまっている。そこで、Global Sources社はオフラインからオンラインへと移行し、今回初となるオンラインショーを実施することにした。世界中のバイヤーたちが、一流のサプライヤーのパビリオンを訪れたり、動画を視聴したりしながら、オンラインチャットでリアルタイムに対話をし、3つのセッションに参加して、最新情報を入手し、欲しい製品を見つけることができる。

     3つのセッションとはそれぞれ、医療・ヘルスケア部門、在宅・オンライン教育部門、ホームハードウェア部門だ。Global Sources社のCEOヒュー・ウェイ氏は「当社の50年にわたる展示会に関する知見を活用し、今回新型コロナのパンデミックのよって生まれた新たな優先事項の中から、特に需要の高い製品カテゴリーに焦点を当て、新しいスタイルのオンラインショーを開催する。バイヤーとサプライヤーに、ユニークなオンラインコミュニケーション体験と、市場の最新情報を提供したい」と述べた。
    The first Global Sources Online Show kicks off on July 29