新型コロナ治療、T細胞を誘導するアプローチの可能性

【要素技術】

  • ・新学期に便利、窓付き持ち運び式パーティション
  •  軽量で持ち運び簡単な学生用パーソナル・パーティションが開発された。生徒間の感染を防ぐためのアイテムとして、米CompanyBox社が製作したものだ。米オハイオ州ジェニーバの学区に通う5500人に、無償で提供された。この地域の学校は9月1日から再開予定であり「生徒に対して費用をかけずに感染予防対策を行う、最適なソリューション」と評価している。

    学生用パーソナル・パーティション(出所:CompanyBox社プレスリリース)

     段ボール素材のパーティションは、真ん中にプラスチック製の窓とツイストロックがついており、ロッカーにしまうことができる。環境に優しいインクで各生徒の名前を印字することで、他の人のを誤って使用することも防げる。サイズは2種類、小学生用のスモールサイズと、中高生用のラージサイズを用意。通学を再開する子どもと家族に安心感を与えてくれる、マスクに追加の予防策として活躍する。
    Back to the Classroom: CompanyBox Donates Custom Safety Partitions to Geneva Area Schools

  • ・幹細胞と3Dプリンターを融合、ミートテックの進化
  •  ミートテックがまた一歩前進した。イスラエルのMeat-Tech 3D社が幹細胞と3Dプリンターを掛け合わせ、均一で薄い人工肉を製造する実験に成功した。細胞を育てて作るミートテックのブレークスルーとして注目される。「カルパッチョ・プロジェクト」と呼ばれる、Meat-Tech社の長期計画のゴールは、動物を傷つけることなく、おいしい食肉を製造すること。独自の3Dプリンター技術により食肉組織を製造し、細胞を育成する手法を取る。

     研究者グループは数種類の細胞を3Dプリントすることに成功し、Meat-Tech社の研究室で培養された脂肪と筋肉組織に組み合わせた。人工肉が製造されるまでの流れを簡単に紹介する。(1)幹細胞を脂肪細胞と筋肉細胞に選別し、筋繊維と脂肪組織の合成を促す、(2)最終的に組織を形成するために、脂肪と筋肉細胞をプリントするバイオインクを調合、(3)脂肪細胞と筋肉細胞を合体した組織を3Dプリントして完成──。

     幹細胞と3Dプリンターを組み合わせた新たな人工肉製造テクノロジーが、未来の食卓の可能性を広げる。
    Meat-Tech 3D Ltd. Achieves Milestone: First Printing of Uniform Meat Tissue

  • ・新型コロナ治療、T細胞を誘導するアプローチの可能性
  •  新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、人によって症状の表れ方が大きく異なるのが特徴だ。軽症で感染から回復する人もいれば、病気が長引き死に至る人もいるのは、一体なぜなのか。それにはT細胞の反応が関わっているのではないかと考え、軽症患者のT細胞を研究し、謎の解読に迫るチームがいる。米カリフォルニア大学サンフランシスコ校泌尿器科学准教授であるロアン博士のチームは、SARS-CoV-2感染により長寿命のT細胞が活性化され、ウイルスに対する長期的な免疫力が得られる可能性について調べた。

     研究によると、SARS-CoV-2に対する抗体は比較的迅速に消失するものの、記憶T細胞を含む記憶応答が生成されると、それが長期的に残る可能性があることが分かった。ロアン博士は「COVID-19に対する持続的かつ効果的な免疫を獲得するためには、ワクチン接種戦略は従来の中和抗体の生成に加えて、SARS-CoV-2に対する長寿で多機能なT細胞を誘導するアプローチを取る必要がある」と述べる。今回は軽症患者のみを研究対象としたが、今後は重症化した患者も含め、より多くの患者を対象とした研究が必要だ。ロアン博士のチームは軽症例と重症例のT細胞の反応の比較を開始しており、次は、他のコロナウイルスへ暴露されることで、新しいウイルスに対する免疫反応が高まることがあるかどうかについて、調査を開始する予定だ。
    Finding Clues to a Successful Immune Response in the T Cells of Recovered COVID-19 Patients

(タイトル部のImage:Photobank -stock.adobe.com)