バイオメトリクス×ブロックチェーンで実現する世界

【要素技術】

  • ・バイオメトリクス×ブロックチェーン技術が、パスワードのない世界を作る
  •  安全性と利便性の両立を目指す次世代のパスワードレス認証技術のリーダーである米1Kosmos社が、FIDO アライアンスのFIDO2サーバプロトコルの認証を取得したことを発表した。FIDO2はW3C(WWWで利用される様々な技術の標準化を推進する非営利団体)のWeb認証仕様(WebAuthn)とFIDOアライアンスに対応するCTAPプロトコルを組み合わせたもので、一般的なデバイスが安全かつ容易にモバイルとPC両方の環境で認証できるようにする。

    (出所:1Kosmos社プレスリリース)
    (出所:1Kosmos社プレスリリース)
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     1Kosmos社が開発した認証方式「BlockID」は、先進的なバイオメトリクスとブロックチェーン技術を掛け合わせ、最高レベルの本人確認・認証技術を提供する。世の中のパスワード依存脱却が大きく加速しそうだ。

     BlockIDはなりすましを不可能にし、また2要素認証や多要素認証ソリューションの導入コストを不要とするなど、セキュリティ業界に旋風を巻き起こしそうだ。BlockIDはスマホアプリを使い、認証に成功したユーザーにアクセス権を与える仕組み。ユーザーのID情報は暗号化して分散型台帳に安全に保存されるため、ハッキングに対して強い耐性があり、データ侵害も心配ない。ユーザーネームやパスワードを複数暗記する煩わしさも、パスワードクラッキングによるなりすましの脅威も、過去のものになる。
    1Kosmos BlockID Becomes the First Contact-Free Identity Based Authentication System Powered by Biometrics & Blockchain to Be FIDO2 Certified

  • ・スマホで身近なモノを徹底消毒する、新UV-Cテクノロジー
  •  リモートセンシングサービスに特化する先進的テクノロジーカンパニーである米Galileo Group社。このほど、特許済みの「ARMADA」スマホLEDシステムの試験を行い、ウイルスや病原菌を除菌できることを証明した。普通のスマホやタブレットにGalileo社のセンサーテクノロジーを統合するだけで、物体の表面に付着したウイルスと病原菌を除菌できるようにするという、画期的な試みだ。試験はアリゾナ州立大学(ASU)の環境工学・環境微生物学の教授陣とGalileoグループとで共同で行われ、ARMADAを紫外線殺菌剤に変換する実験が実施された。最初の試験は成功し、11月上旬にはいよいよ生きたヒトコロナウイルスを使った実験を行い、結果は12月に発表予定だ。

     UV-Cの電磁スペクトルの殺菌効果は科学的に証明されており、ここ数カ月のパンデミックの間に、大型で高エネルギーの機械を使用する消毒ツールなどに搭載され、大勢の人が集まる環境で使われるようになってきた。GALILEOが目指すのは、大型の機械では手の届かない近距離の場所を、モバイルデバイスで日常的に、より徹底的に殺菌することだ。まずは旅行・ホスピタリティ・レジャー向けに導入し、その後ARMADAのUV-C技術を第三者にライセンス供与し、モバイルベースの殺菌機能をさらに他の分野へと大幅に拡張・展開する予定だ。低コストで実用的なスマホ技術とオンラインポータルを組み合わせ、新たな消毒法を実現する構想が進む。
    Galileo Group develops and demonstrates experimental smartphone technology for virtual disinfection of viruses and bacteria, next step plans for human coronavirus testing

  • ・英国初COVID-19ワクチンのチャレンジスタディ
  •  新型コロナウイルスワクチンのチャレンジスタディ(ヒトへの臨床試験)「1DaySooner」を呼び掛ける請願書が英国政府に提出された。請願内容には、100人から200人のボランティアの被験者が滞在できる「チャレンジスタディセンター」の設置が含まれる。この活動は、多くの英国知識人(アラ・ダーツィ―卿、ノーベル賞受賞者リチャード・ロバーツ氏、オックスフォード大学のドミニク・ウィルキンソン医療倫理学教授など)から支持され、すでに英国人2500人がワクチンのチャレンジスタディに被検者として名乗り出ている。チャレンジスタディの請願書が正式に政府に提出されたのは今回初めてとなる。

     インペリアル・カレッジ・ロンドンのグローバル・ヘルス・イノベーション研究所所長でもあるアラ・ダーツィ―卿は「COVID-19のチャレンジスタディを行うことで、どのワクチンが効果を発揮するかを迅速に突き止めることができ、ワクチン開発者が製造と流通を最適化する助けとなる。世界中の80億人にワクチンを確実に届けるために、非常に重要なステップだ」と述べる。チャレンジスタディは副作用のリスクも伴うため、賛否両論ある。プロジェクトの「1DaySooner」の名の通り、一日も早くワクチンを世界に届けるための倫理的な判断が迫られる。
    1Day Sooner Petition To Prepare COVID-19 Human Challenge Trial Facilities Gains Support Of Lord, Nobel Laureate, Oxford Professor Of Medical Ethics

  • ・ヨーグルトの「本物の甘味」を実現、新糖分カット技術
  •  減糖技術のリーダー企業であるスイスのFirmenich社が、バイオロジカルソリューションを提供するデンマークのNovozymes社と共同で、新製品「TasteGEM SWL」を発表した。両社の最先端のソリューションを組み合わせ、甘味料を一切使用せずにヨーグルトやその他の乳製品の糖質を最大50%まで低減しつつ、これまでにない自然な味わいを実現する。砂糖が身体に悪いと言われるのには様々な理由があるが、特に体重増加、虫歯、糖尿病、血糖値の急上昇や糖血糖のリスクを高めることが挙げられる。

     糖分やカロリーを抑えた栄養価の高い乳製品を求める健康志向の消費者が増える中、新しい減糖製品開発が求められている。特許出願中のTasteGEM SWLは、糖質を大幅に減らしつつ、牛乳の自然な甘みを引き出し、本物の甘さとクリーミーさを届けることができる点が注目される。「美味しい」を犠牲にすることなく、自然に砂糖をとる回数を減らすことができるのが理想だ。秘密は、画期的なラクターゼソリューション「Saphera」にあるという。Firmenich社は、世界中の顧客が栄養バランスのとれた美味しい製品を消費者に届けることができるよう、減糖技術を提供し続ける。
    Firmenich & Novozymes partner for great-tasting yogurt with unprecedented sugar reduction performance

(タイトル部のImage:Photobank -stock.adobe.com)