■お腹周りの内蔵脂肪から心臓発作と脳卒中を予測、RSNA

  •  お腹周りの内蔵脂肪のCT画像を解析するAIにより、心臓発作や脳卒中を正確に予測する研究が、北米放射線学会(RSNA)の学術集会で発表された。従来、心血管のリスク測定は、BMIに基づいて行われてきたが、ボストンのブリガム・アンド・ウィメンズ病院の研究者チームによると、実はBMIは心臓発作や脳卒中と関連しておらず、関連しているのは、お腹周りの「内蔵脂肪面積」だということが分かったという。

     同じBMIの人でも筋肉と脂肪の割合には著しい違いがみられる。内蔵脂肪面積を算出するには、腹部のCTスライス画像から皮下脂肪・内蔵脂肪・骨格筋の堆積を測定して割合を算出する必要がある。医師や医療スタッフが手動で一つひとつ調べるとなると、コストも時間もかかる。そこで、解決策として、AIによるディープラーニングを用いてCT画像から体組成の指標を自動的に解析する手法が開発された。

     今回の研究を行ったのは、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院の放射線科医、データサイエンティスト、生物統計学者を含む研究者チーム。研究には、2012年にボストンの旧Partners HealthCare(現Mass General Brigham)で実施した2万3136人分の腹部CT外来検査3万3182件のデータが使用された。そのうち1万2128人の患者は撮影時に心血管系やがんの診断を受けておらず、その後5年以内に心筋梗塞(心臓発作)を起こした患者は1560人、脳卒中を起こした患者は938人であった。

     研究者グループはCTスライス画像の「L3」位置(第3腰椎)を用いて各患者の体組成の統計解析を行ったところ、内蔵脂肪面積のみがその後の心臓発作や脳卒中と関連していることが示された。内蔵脂肪面積の割合が高い患者グループは心臓発作を起こす可能性が高く、内蔵脂肪面積が最も少ないグループは、腹部CT検査後数年間発作を起こしていなかった。つまり、BMIは心臓発作や脳卒中とは関連しておらず、CT画像による内蔵脂肪面積の測定が将来的な心血管リスク予測に有効に働くことがわかった。

     今回の研究に参加したカリフォルニア大学サンフランシスコ校の腹部画像・超音波研究員であるキルティ・マグディア博士は「AIを活用し、既存のCT画像データから新たな情報を抽出することで、臨床ケアの向上につながる」としている。
    AI Abdominal Fat Measure Predicts Heart Attack and Stroke

(タイトル部のImage:Photobank -stock.adobe.com)