■スマホで30分のCOVID-19検査、米Gladstone研究所などが開発

  •  綿棒で鼻の検体を採取し、デバイスに入れて15~30分後にスマホが検査結果を読み上げる――。米Gladstone研究所、カリフォルニア大学バークレー校・サンフランシスコ校の研究チームが、「CRISPR」を使った新たなCOVID-19検査法を開発し、科学誌「Cell」に発表した。この技術を共同開発した1人、Gladstone研究所上級研究員のジェニファー・ダウドナ博士は、本研究の鍵となる「CRISPR-Cas」ゲノム編集技術の発見により、2020年のノーベル化学賞を受賞した人物だ。

    (出所:Gladstone研究所プレスリリース)

     新型コロナ感染の特徴は、感染者の多くが軽症か無症状のまま、気づかないうちにウイルスを拡散している点にある。パンデミックを収束させ、世界中のコミュニティを完全に再開するには、無自覚の感染者を特定して隔離し、ウイルスの潜在的な広がりと脅威を抑え込むことが求められる。課題は、大規模な迅速検査の欠如だ。

     これまでのCRISPR検査は、ウイルスRNAをDNAに変換してから増幅させるという2段階のステップが必要であり、検査結果が出るまでに時間と高度な技術を要する。検査結果が出るまでに数日、あるいは検査処理が滞っている場合は、それ以上待たなければならない。一方、今回開発された新検査では、この2段階の処理をスキップし、ウイルスRNAを直接検出することができるため、迅速な診断が可能となる。

     さらに、この新たな検査は、陽性か陰性の結果を生成するだけでなく、検体の中のウイルス負荷(SARS-CoV-2濃度)を測定することができるという。つまり、検査を繰り返すことで、感染が増加しているか減少しているかが判断できる。患者の感染後の経過を観察することで、回復に必要な期間をリアルタイムで正確に予測することができる。

     スマホを使った検査では、かさばる検査機器が不要なため、将来的には家庭でも使用できる可能性を秘める。スマホから即座にクラウドベースのシステムにアップロードすれば、追跡確認や疫学的研究にも活用できるかもしれない。
    New CRISPR-Based Test for COVID-19 Uses a Smartphone Camera