2021年1月21~28日に海外の企業・大学・研究機関・米食品医薬品局(FDA)などが配信したプレスリリースの中から、注目のニュースをピックアップしました。

■上腕の電気刺激で片頭痛を治療するウエアラブルデバイスがFDA承認

  •  片頭痛を治療するウエアラブルデバイス「Nerivio」が、米食品医薬品局(FDA)に承認され、12歳から使用できるようになる。スマホで操作する電気刺激を用いたニューロモデュレーション(神経調節)の治療デバイスNerivioを開発したのは、イスラエルのTheranica社。TIME誌の2019年のベスト発明品の1つにも選ばれている。Nervioは遠隔医療プロバイダーを含む医療機関からの処方箋があれば利用でき、保険が適用される。デバイスは1台につき12回まで治療が可能で、使用後はリサイクルされて新たな装置と交換される。

    Nerivio(出所:Theranica社プレスリリース)

     すべての学齢期の子供たちの10%、また15歳から19歳までの28%が片頭痛を抱えており、10代の多くが片頭痛のために学業や社会生活に支障をきたしているとされる。スマホで手軽に操作でき、腕に目立たないように装着するNerivioは、若者にとって抵抗が少ない。また、治療中の投薬が必要ないため、薬を飲みたくない人や様々な禁忌などの制限がある人も取り入れやすい治療法だ。

     Nerivioは上腕に45分間装着し、電気刺激による神経調節を利用して脳が本来もっている疼痛を変調させるメカニズムを活性化させることで、痛みを伴う片頭痛の症状を治療する。医学誌Headacheに掲載された研究によると、Nerivioを使用した思春期の参加者の71%は2時間後に痛みが軽減し、35%は完全に痛みから解放されたと回答。さらに、痛みが治まった人の90%は24時間効果が持続したという。69%は2時間後に学業や日常生活が元通りに行えるようになったと報告、重篤な副作用は報告されていない。
    FDA Approves Theranica's Nerivio® for Acute Treatment of Migraine in Adolescents

■プロスポーツ選手が実践するトレーニング法を一般向けにアプリで提供

  • スポーツパフォーマンストレーニング(出所:SFX Athletes社プレスリリース)

     プロのスポーツ選手が取り入れている「スポーツパフォーマンストレーニング」を、スマホのアプリで誰でもどこでも行えるようになる。アプリを開発したのは、米SFX Athletes社。アスリートの筋力、スピード、ボディコンディショニング、可動性の向上をサポートする、本格トレーニングプログラムを提供する。スポーツパフォーマンストレーニングとは、自分の「相対的な力」と呼ばれる「筋力と体重の比率」を高めるトレーニング法だ。相対的な力を高めることで、あらゆる年齢のアスリートの身体の耐久性を強化し、怪我予防につながることが実証されている。米国では年間350万人の青少年がスポーツで怪我をしており、SFX Athletes社が年々増加する怪我の問題解決に挑む。

     トレーニングを開始するには、まずアプリにユーザー登録し、身体測定と筋力テストを実施する。テストでは、立ち幅跳びの距離と、プランク(うつ伏せになった状態で前腕と肘、つま先を地面につき、その姿勢をキープするエクササイズ)の維持時間の測定を行う。各ユーザーのテスト結果を基に、アルゴリズムがSFXスコアを生成する。SFXスコアとは、SFX社のシステムが長年かけてアスリートのトレー二ングを通じて開発した測定基準に基づき、アスリートを星1つ~星5つまでのレベルに分けるものだ。自分の星の数に合わせ、週に4日、4週間で完了するパーソナルトレーニングプログラムが作成される。

     アプリはユーザーに毎日、その日に行う4つの運動を通知し、運動を4サイクル繰り返すとその日のトレーニングが完了する。運動をする前に、身体の動かし方についてアプリ内の動画で詳しく説明してくれるので、心配はいらない。めでたく4週間のトレーニングサイクルを終えると、アプリはユーザーにもう一度SFXスコア評価テストを受けることを促し、テストを受けると次の4週間のトレーニングサイクルが作成されるという仕組みだ。

     誰もが異なる筋力や運動能力を備えているため、個々のアスリートに最適なトレーニングプログラムを提供することが重要だ。アプリのコンテンツにはパフォーマンストレーニングの基礎知識や栄養指導も含まれ、アスリートのコミュニティ作りにも活用できる。
    Train Explosive Anytime, Anywhere

■米nVoq社などが医療機関向け音声入力ソリューションを開発

  •  米nVoq社と米Mobius MD社が提携し、新たな音声テキスト機能「Mobius Conveyor」を発表、ヘルスケア業界にクラウドの次世代型音声認識ソリューションを導入する。医師はMobius Conveyorの機能を使用し、患者の医療データを直接EHR(医療情報連携ネットワーク)へ音声で記録できるようになる。利用を開始するには、iPhoneにMobius Conveyorアプリをダウンロードし、QRコードを介してデスクトップPCに接続して情報を読み上げるだけ。音声はテキストに変換され、直接EHRに保存される。アプリはWindowsとMacOSのPCに何台でもインストール可能だ。

     nVoq社は、HIPAA法(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)に準拠したSaaS型の音声認識技術をヘルスケア業界に提供している。重点を置くのは、亜急性期医療(病状が不安定で回復期にある患者)の分野だ。nVoqのプラットフォームは医療現場で患者の医療データを収集する場面において、オフィスとモバイルの両面で医師をサポートする。高品質な文書を音声で迅速に作成し、コーディングを簡素化することで医療手続きを効率化する。
    nVoq and Mobius MD partner together to launch an exciting new option for speech-to-text technology in the Healthcare Industry

(タイトル部のImage:Photobank -stock.adobe.com)