2021年2月5~11日に海外の企業・大学・研究機関・米食品医薬品局(FDA)などが配信したプレスリリースの中から、注目のニュースをピックアップしました。

■心エコー図分析で1年以内の死亡率を正確に予測、米Geisinger医療研究所

  •  米Geisinger医療研究所が心臓のエコー画像を使用するコンピューターアルゴリズムを開発し、1年以内の死亡率を正確に予測できることを発見した。アルゴリズムが心臓病専門医の患者予測や治療方針の決定を支援することで、患者ケアの改善を目指す。このアルゴリズムはいわゆる機械学習や人工知能(AI)の一例であるが、臨床現場でよく使用されるコホート方程式やシアトル心不全スコアなどの他の予測因子よりも、精度の高い予測結果を示した。

     本研究はペンシルベニア州保健省や保険サービスを提供するGeisinger Health Plan、Geisingerのクリニックの助成を受けて実施され、医療雑誌Nature Biomedical Engineering誌に掲載されている。研究チームは過去10年間にGeisingerの患者3万4362人から収集した81万枚以上の心エコー画像を、特殊な計算ハードウェアを使用してAIに学習させ、その結果を複数の心臓専門医の予測と比較した。結果、AIモデルを利用した場合、心臓専門医の予測精度が13%向上した。本研究は、約5,000万枚の画像を利用しており、これまでに発表された研究の中でも最大規模の医療画像データセットを活用した例だ。

     画像処理は電子カルテ(EHR)の中で最もデータ量の多いコンポーネントであり、治療の意思決定には不可欠だ。例えば、心エコー図検査では1回の検査で約3,000枚の画像が得られるが、心臓専門医1人が他の膨大な診断データと照らし合わせながら画像を解釈する時間は限られている。このため、機械学習などの技術を活用してデータを高度に管理・分析し、医師が下す最終決定に対しインテリジェントな支援を提供できるコンピューターの意義は大きい。
    Geisinger researchers find AI can predict death risk