2021年2月19~25日に海外の企業・大学・研究機関・米食品医薬品局(FDA)などが配信したプレスリリースの中から、注目のニュースをピックアップしました。

■3Dプリンターで最大50人を一度に治療できる人工呼吸器、ハンガリーで開発

  •  一度に最大50人の生命維持を可能にする大規模な人工呼吸器「MassVentil」が、ハンガリーの大学でわずか数カ月のうちに開発された。3Dプリンターを活用することで、製造時間とコストを大幅に削減する。プロトタイプ開発と部品製造を高速化し、医療界における世界的なブレークスルーを目指す。

    MassVentil(出所:オーブダ大学プレスリリース)

     病院が機材不足に陥り、人工呼吸器の有無が生死を分けるような今の事態を、誰が予想できたであろうか。昨年COVID-19が発生し、この恐ろしいシナリオが現実となったのを目の当たりにしたブダペストÓbuda(オーブダ)大学の研究チームは、50人以上のコロナウイルス感染患者を同時に治療するモジュール式人工呼吸器システムのプロトタイプの開発に着手した。従来の人工呼吸器は一台につき患者一人しか治療できないが、MassVentilを複数台使用すれば、非常時に数百人の患者を一度に治療可能となる。

     開発チームを率いるのは、同大学情報学部長のミクロシュ・コズロフスキー博士。「3Dプリンターで印刷、設置、テストを数時間で実施し、計画していたよりも早く、低コストでプロトタイプを完成させた。現在ライセンスの手続中で、テスト結果に満足している」と、自信を見せる。部品を3Dプリンターで現地生産することで、医療機器の開発コストを数千ユーロから数百ユーロに大幅に削減できる。パンデミック下、MassVentilの高速展開可能な高度スクリーニング装置があれば、病院、仮設診療所、救急病院などで働く医療従事者を空気感染から守ることにもつながる。

     COVID-19と闘う中、世界中の企業が人工呼吸器の開発や部品・保護具の製造に3Dプリンターを導入している。今回、MassVentilの開発に、ハンガリー、米国、カナダ、英国にオフィスを持つ3Dプリンター技術のスペシャリストであるCraftBot社も参戦している。
    MassVentil Project: Mass ventilator developed at Budapest's Óbuda University by using 3D printer technology