2021年3月5~11日に海外の企業・大学・研究機関・米食品医薬品局(FDA)などが配信したプレスリリースの中から、注目のニュースをピックアップしました。

■着用したまま心臓ストレステストを行えるブラジャー

  •  米カンザス大学ヘルスシステムの循環器内科医アシュレー・シモンズ博士が、女性の心機能測定を大きく変える「CardioBra」を開発した。シモンズ博士は長年心臓検査に携わる中、不快な検査を嫌がる女性や、心臓ソノグラファー(超音波技師)が心電図のリード線を適切に配置できず、乳房の動きによってリード線が外れてしまう光景を数多く見てきたという。なぜ女性の胸をサポートし、配置を助け、より正確な測定を可能にするブラジャーがないのか。この分野に革新的な技術がないことに不満を感じ、女性の心臓ストレステスト(運動負荷テスト)の体験を向上するため、「CardioBra」の開発に着手した。

    (出所:カンザス大学プレスリリース)

     これまで女性の心臓ストレステストはブラジャーを着用せずに行われてきた。理由は、超音波画像を取得するためには胸壁に直接アクセスし、超音波特有のアーチファクト(本来ないものがあるように映ってしまう現象)を最小限に抑える必要があるからだ。ほとんどの施設で、乳房を覆う薄いガウンが用意されるが、サポート機能は施されていない。そのため、ストレステストでスポーツブラやその他の乳房サポートウェアの着用を望む女性の声は多い。

     シモンズ博士は、「乳房を支えずに運動することで、乳房や胸、背中の痛みを感じる女性がいる。不適切な心電図リードの配置や、乳房の運動によるアーチファクトが発生し、診断不能となってしまう場合もある。宗教的・個人的な理由により、研究を拒否する女性もいる」と、検査方法の問題点を指摘する。

     乳房の動きを制限し、心電図リードを正確に配置することでアーチファクトを減少させるCardioBraの設計は現在特許出願中。CardioBraを使用すれば運動負荷テストの最中に心電図のリード線が落ちることなく、心筋血流イメージングのアーチファクトを最小限に抑えつつ、心エコー画像をすぐ撮影することができる。また、胸壁を露出するのは画像取得に必要な部分だけで済むのも利点だ。サポート力が高く、必要な部位だけを検査できるため、検査の負担が大幅に軽減される。

     CardioBraは、米Nissha Medical Technologies社のCLARAVUEⓇ電極に対応する2部構成のシステムだ。CLARAVUEと併用することで電極の密着性が強化され、心電図リードを乳房下に配置でき、サポート力が高まる。また、CLARAVUEⓇはワイヤーを使用した薄型設計でピンチクリップが不要なため、装着感も快適だ。今後心電図の質が向上すれば、追加検査を減らすことも期待される。

     CardioBraは、全米上位500社「フォーチュン500」にランクインする医療関連製品の製造・販売で世界最大手の米Henry Schein社やCardioBra.comで購入可能だ。
    Kansas Cardiologist Improves the Stress Test Experience for Women