2021年5月15日~21日に海外の企業・大学・研究機関・米食品医薬品局(FDA)などが配信したプレスリリースの中から、注目のニュースをピックアップしました。

■韓国CUREXO社の歩行リハビリロボット、欧州CE認証を取得

  • (The Morning Walk。出所:韓国CUREXO社プレスリリース)
    (The Morning Walk。出所:韓国CUREXO社プレスリリース)
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     韓国の医療用ロボット企業、CUREXO社が開発した次世代歩行リハビリロボット「Morning Walk S200」が、欧州CE認証(EU加盟国の基準を満たす適合証明)を取得した。これによりEU28カ国、EFTA3カ国、EU候補国や中立国へ展開が可能となった。2月の韓国MFDS、米国FDAに続き、3つ目の認証で、最近韓国では2つの国家プロジェクト契約を取得している。

     Morning Walkは、子供から大人まで誰でも使用できる歩行リハビリロボットだ。韓国の16のリハビリ病院で使用されている。脳梗塞、脊髄損傷、パーキンソン病、末梢神経疾患、人工膝関節患者などに対する安定性と有用性は、多くの研究論文で証明されている。

     SCI誌(臨床リハビリ、2019年、第33号)に掲載された論文には、58人の脳卒中患者を対象に行ったMorning Walkの評価調査が発表されている。調査結果によると、下肢の筋力を示す指標である「モトリシティ・インデックス」と、患者のバランス能力を評価する「バージ・バランス・スケール」に、それぞれ69.8%と49%の改善がみられたという。

     PLOS ONE誌(2020年、第15号)に掲載された、人工関節手術を受けた患者がMorning Walkを使って行った5日間のリハビリ実験に関する論文によると、他の医療用歩行器と比較して、Morning Walkを使用した患者は2.65倍の筋力成長率を示している。

     ニューロリハビリテーション専門誌「Brain & NeuroRehabilitation、2020年、第13号」の論文には、脳梗塞患者100人、脊髄損傷患者40人、パーキンソン病患者8人、末梢神経疾患患者22人の合計189人を対象とした研究結果が掲載されている。MRC(英医学研究審議会による筋力評価)とFAC(マサチューセッツ総合病院で開発された歩行能力の臨床評価指標)の両方で、筋力と歩行能力に有意な改善がみられた。

     CUREXO社のCEOであるジジュン・リー氏は「Morning Walkが欧州のリハビリ市場へ進出できて嬉しい。強みは、安定性と効果の高さだ」と述べる。今後は、先進医療市場でのビジネスを展開する予定だ。
    'Morning Walk S200', CUREXO's walking rehabilitation robot, has acquired European CE certification

■米One Drop社、糖尿病患者の血糖値予測AI分析エンジンがCE認証

  • (出所:One Drop社プレスリリース)
    (出所:One Drop社プレスリリース)
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     慢性疾患患者向け精密医療機器のリーダーである米One Drop社が開発した、糖尿病予備軍、2型糖尿病、妊娠糖尿病の患者の最大8時間後の血糖値を「予測」する血糖値予測分析エンジンがCEマークを取得した。品質管理、安全性、性能においてEU基準を満たし、血糖値予測の正確性が認証された。One Drop社は、糖尿病予備軍、2型糖尿病、妊娠糖尿病患者の血糖値を予測する、最初で唯一の企業となる。

     One Drop社は、2018年に初めてグルコース値の予測を導入した。デジタル会員になると、運動、食事、ライフスタイルのリアルタイムアドバイスとグルコース値の予測を利用できる。他のデジタルヘルスソリューションと異なり、One Drop社では、AIを用いたデータを提供している。食品、運動、血糖値に関する新たな情報が得られるたびに、One Dropアプリに血糖値の予測と行動に関するアドバイスが表示される。デジタル会員は、One Dropアプリ(iOSとAndroid対応)を利用し、認定医師による1対1のコーチング、双方向教育コンテンツ、健康データの記録ツールにアクセスすることができる。

     One Drop会員に実施したアンケートによると、94%が「血糖値の予測が役に立った」と回答。血糖値の予測は、日々の行動に結びつけて健康的な意思決定に生かされ、医師から受けるサポートは、継続的ガイダンスとして利用できる。AIを搭載したアルゴリズムは、フィンガースティックを使った検査に比べ大幅な労力削減になると同時に、保険会社、雇用者、医師のコスト削減も目指す。

     One Drop社のデータサイエンス担当、シニアバイスプレジデントのダン・ゴールドナー氏は、「AIソリューションが成功するには、膨大なデータが必要だ。One Dropは創業時からデータ収集に投資しており、現在、競合他社のデータ資産は当社の1%にも達していない」と自信を見せる。

     One Drop社の予測型健康プラットフォームは、2016年から消費者、雇用者、保険会社、医療機関に提供。現在まで195カ国、数百万人のユーザーから、75種類のバイオマーカーを含む約250億件の健康データを集めている。One Dropアプリは、手入力データや接続先の医療機器(One Dropメーターなど)から得られるデータに加え、HealthKit、GoogleFit、Dexcom、Fitbit、Apple Watch、Companion Medicalとの直接連携により、グルコース、体重、血圧、食事、薬、身体活動に関する情報を収集している。現在、会員1人当たり1日何千もの新しいデータポイントを生成する「マルチアナリティクス経皮センサー」を開発中で、こうした膨大かつ多様なデータの活用が、長期予後予測を可能にする独自の機械学習アルゴリズムの進化を支えている。

     One Dropの製品とサービスは、受賞歴のあるOne Dropアプリ(iOSおよびAndroid)や、https://onedrop.today、Walmart、Amazon、BestBuy、Apple Store、CVSで購入可能だ。
    One Drop Receives CE Mark For AI-Powered Blood Glucose Forecasts

■米SoftWave TRT社の疼痛治療「OrthGold 100」、FDA承認

  • (出所:SoftWave社プレスリリース)
    (出所:SoftWave社プレスリリース)
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     米SoftWave Tissue Regeneration Technologies社の特許済、体外衝撃波(ショックウェーブ)装置「OrthoGold 100」がFDA認証を取得した。局所的な血液循環を促進させながら軽度の痛みを緩和し、結合組織を活性化する効果が承認された。

     関節炎は、米国の成人に最も多く見られる疾患だ。CDCによると、成人の5人に1人が慢性的な痛みを抱えており、米国では成人の20.4%が慢性的な痛み(少なくとも過去6カ月間、ほぼ毎日感じる痛み)を抱えているという。高齢者や女性に多く見られ、慢性的な痛みを持つ人の8%(1960万人)は、日常生活や仕事に支障をきたしている。米国人の80%が生涯に一度腰痛を経験しており、コストは年間500億ドル(約5.4兆円)と推定される。

     OrthoGold 100は、筋肉や関節の痛みに対処する新たな治療法だ。特許技術の非集束体外衝撃波(uESWT)を使用して物理的・生物学的な反応を促進し、治癒力を向上させる。uESWTは、免疫細胞に影響を与え、間葉系幹細胞の刺激や再生・治癒に関連する因子の放出など、抗炎症作用があり、痛みの信号伝達に直接介入し、短期的および長期的な鎮痛効果があるとされる。同装置の利点の一つは、一時的に急性の痛みを和らげ、再生と治癒によって原因を解消することで症状を長期的に緩和すること。非侵襲的な施術であり、麻酔や麻痺剤を必要としないため、患者の負担も軽い。腱鞘炎、滑液包炎、関節炎などの一般的な症状に効果があるという。

     SoftWave TRT社のCEOジョン・ウォーリック氏は、「本製品は疼痛治療を革新する可能性がある。特許を増やし、今後の規制当局承認に繋がるパイプラインを構築するために、最高の衝撃波技術を提供し、成長する医療分野の技術リーダーとなることを目指す」と述べる。

     SoftWave TRT社は既に、成人の表面性・中間層熱傷、糖尿病性足潰瘍(DFU)の治療においてFDA認可を受けている。
    SoftWave Tissue Regeneration Technologies Receives FDA Clearance for Blood Circulation Increase, Minor Aches and Pains Relief and Connective Tissue Activation

(タイトル部のImage:Photobank -stock.adobe.com)