2021年5月22~28日に海外の企業・大学・研究機関・米食品医薬品局(FDA)などが配信したプレスリリースの中から、注目のニュースをピックアップしました。

■エンドルフィンの分泌を促すブレスレット型デバイス、仏Remedee Labs社

  • (出所:Remedeeプレスリリース)

     2016年に創立されたフランスのヘルステックスタートアップ企業Remedee Labs社が、個別慢性疼痛管理を変革する「エンドルフィン刺激デバイス」を設計・開発した。「エンドルフィン」は脳内で機能する神経伝達物質のひとつ。内在性オピオイドであり、モルヒネ同様の作用や多幸感をもたらす物質として知られる。

     このブレスレット型のデバイスは、ミリ波を発する世界初と言われる小型モジュールを搭載し、患者の手首の内側に装着して超高周波の電子信号を使って皮下の受容体(皮膚の0.5mm内側)を正確に刺激する仕組み。装置が無痛の神経刺激を発信すると、患者の脳が反応してエンドルフィンを分泌し、痛みを急速に緩和するとともに、幸福感が得られるというものだ。本技術は、強力なパートナー(フランス原子力・代替エネルギー庁の付属機関であるCEA-Letiおよびスイスの半導体製造・販売企業ST Microelectronics社)と共に10年に渡り前臨床・臨床研究を行った上、特許済のMEET(Microelectric Endorphin Trigger)モジュールに基づいて開発されたもの。当初は線維筋痛症患者の治療に焦点を当てつつ、将来的には他の慢性疼痛患者にもプラットフォームの提供を拡大する予定だ。

     世界では15億人が慢性的な痛みに苦しんでおり、そのうち50%は満足のいく治療法を見つけられず、日常生活や社会生活、仕事に支障をきたしていると言われる。中でも線維筋痛症は、健康的な生活のあらゆる側面に影響が及ぶ慢性疾患だ。現在の治療法の効果は一定でなく、費用も高く、副作用を伴うことも少なくない。Remedee Labs社の技術は繊維筋痛症に苦しむ患者のストレスを軽減し、睡眠を改善することが実証されており、今後線維筋痛症に関する多施設共同研究も計画されている。

     同社は線維筋痛症だけでなく、子宮内膜症や偏頭痛、変形性関節症、がん性疼痛など、満足な治療法がない疾患に対してデバイスで治療を行う臨床試験も開始しており、エンドルフィン刺激が様々な病態の痛みを軽減する効果が期待される。
    Gilles Litman, former VP of Digital Health at Sanofi, joins Remedee Labs to accelerate global launch of breakthrough digital health platform focused on chronic pain management