2021年6月26日~7月2日に海外の企業・大学・研究機関・米食品医薬品局(FDA)などが配信したプレスリリースの中から、注目のニュースをピックアップしました。

■電気刺激で学習能力を高めるウエアラブル、2022年初頭に発売

  • (出所:米humm社プレスリリース)
    (出所:米humm社プレスリリース)
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     生涯学習の支援を行うニューロテック(脳技術)企業である米humm社は、ユニークなウエアラブル「humm」のβ版(試用版)を発表した。hummは額に貼るパッチで学習能力を高めるもの。βプログラムは約4カ月間実施され、正式版は2022年初頭に発売される予定だ。詳細は www.thinkhumm.com

     hummは脳への電気刺激で記憶領域に影響を与え、集中力やマルチタスクを向上させ、情報記憶力を増強するデバイスだ。カリフォルニア大学バークレー校のSkyDeckスタートアップアクセラレーター(支援組織)で誕生、BlueYard Capital社やCRCM Ventures社の投資を受けている。世界初のコンシューマー向け「learnable(ラーナブル)」として注目されている。

     hummは、経頭蓋交流電流刺激(tACS)を用い、記憶に関わる脳波の一種であるθ波(シータ波)の力を穏やかに高める。θ波は脳の部位間のコミュニケーションを促し、情報の流れを回復させ、記憶力を高める。ダブルブラインドテスト(二重盲検試験)によれば、記憶能力は最大で20%の向上が確認されている。米空軍でもテストが行われ、現在では、カリフォルニア大学サンフランシスコ校のNeuroscapeラボの研究にも使用されている。

     hummのデザインはシンプルで洗練されており、15分間行うセッションはコーヒー1杯のコストで利用できる。アプリは接続開始時点からユーザーのパフォーマンスに関する洞察を蓄積し、学習しながら進化を続ける。

     インキュベーター(起業支援事業者)であるSocos Labs社の創設者兼会長のヴィヴィアン・ミン博士は「脳刺激技術は、臨床の世界において長く存在していたものの、これまでは高価で不便であったため研究室の外で使われることはなかった。hummは、このニューロテックを日常で使えるよう再構築したもので、消費者テストで高い評価を得ている」と述べる。また、humm社の共同設立者兼CEOのイアン・マッキンタイア氏は「グローバル経済の転換期に、迅速な学習の適応は仕事でもプライベートでも必要不可欠だ。何十年にもわたる神経科学の研究を応用し、安全かつ手頃な価格で、利便性の高い消費者向け製品をつくりたい」と語る。
    Neurotech Startup Humm Launches Public Beta for World's First Consumer "Learnable"