2021年8月7日~13日に海外の企業・大学・研究機関・米食品医薬品局(FDA)などが配信したプレスリリースの中から、注目のニュースをピックアップしました。

■在宅介護で最大企業が誕生、米Honor Technology社

  • (出所:米Honor Technology社プレスリリース)

     米国最大の在宅介護ネットワークを持つ米Honor Technology社は、シニア世代向け在宅介護サービスの世界的リーダーで最先端の在宅介護技術・運営プラットフォームを持つ米Home Instead社を買収した。両社が一体となることで、プロの介護士によるシニアケア体験を変革する。買収後、Honor Technology社の在宅介護サービスの売上高は21億ドル(約2300億円)以上になる。5000億ドル(約55兆円)といわれる在宅介護産業において、最大のプレーヤーが誕生する。買収されたHome Instead社のネットワークはHonor Technology社の子会社として運営される。買収条件は公表されていない。

     Honor Technology社の設立は2014年。全米の個人経営の在宅介護事務所に技術ソリューション、運営サポート、大規模な介護士ネットワークを提供している。共同創設者兼CEOのセス・スタンバーグ氏は「今回の買収により、当社の卓越した世界的在宅介護ブランドとネットワークを、Home Instead社の最高レベルの技術とプラットフォームにつなぐことができる。シニアケアにおいて、かつてこれほど広範囲なサービスを提供し、技術投資を行う企業はない」と話す。

     同社は今後、エンジニアリングやテクノロジーへの投資を大幅に増やし、イノベーションを加速させる意向だ。また、健康の啓発、社会活動も拡大する。プロの介護士の活躍の場を増やし、世界のシニア世代が必要としているサポートを受けやすくする環境をつくるためだ。

     Home Instead社の創業は1994年。以来、シニア世代向け在宅介護サービスの世界的リーダーとして、米国をはじめ世界14カ国で事業展開している。CEOであるジェフ・フーバー氏は、「新型コロナパンデミックは、シニア世代に最大の危機をもたらした。シニアケアは進化を求められている。必要となるのは、高い技術と思いやりを持ってケアに携わる若者たち。彼らの活気溢れる労働は今後の支えだ」と話し、「年を取るのが楽しみになるような世界の創造に取り組んでいる。2社の強みを掛け合わせ、シニアケア体験を変革していきたい」と語る。

     Honor Technology社に投資しているのは、米国を代表するベンチャー・キャピタルであるAndreessen Horowitz社だ。共同設立者のマーク・アンドリーセン氏はHonor Technology社の取締役でもある。「これまで、高品質なケアを大規模に提供する方法を誰も知らなかった。今回の買収によりシニアケア業界は抜本的に変わり、アナログからデジタルへ転換点する。技術が運営を効率化し、個別化を促進させる。次世代、さらに次の世代も恩恵を受けるだろう」と説明する。

     2021年に発表された報告書「Building the Caregiving Workforce Our Aging World Needs(高齢化する世界で必要となる介護人材の育成)」によると、プロの介護人材は世界中で著しく不足している。教育や訓練機会を増やすため、Honor Technology社は自社の双方向アプリを活用し、介護に携わる人が、いつでもどこでも訓練プログラムに参加できるサポートを行う予定だ。これが前述のスタンバーグ氏のいう「ケア人材のケア」であり、「ケア人材をケアすることで、より良い介護につながる」という同社の理念だ。

     シニアケアは「パーソナル」であることと、「ハイタッチ」、つまり丁寧で人間らしい関与が求められる。テクノロジーが実現の鍵となる。
    Honor Acquires Home Instead to Transform Care Experience for Caregivers and Older Adults