2021年8月21日~27日に海外の企業・大学・研究機関・米食品医薬品局(FDA)などが配信したプレスリリースの中から、注目のニュースをピックアップしました。

■目立たないように装着できるドレーン管理機器、米国で特許

  • (出所:米SOMAVACMedical Solutions社プレスリリース)

     米SOMAVAC Medical Solutions社は、術後体内にたまった血液などの排出を行う新型ドレーン管理機器「SOMAVAC SVS」を開発、米国特許を取得した。

     SOMAVAC SVSは、形成外科手術と一般外科手術の血清腫(腫れ)などを予防するスマートサージカルポンプで、双方の手術用としては唯一、FDA(米国食品医薬品局)から承認を受けている。乳房切除術、乳房再建術、ヘルニア修復術、おなかの吸引、複雑な整形外科手術などに使用される。連続的な吸引で液体を効率的に除去し、血清腫や血腫のリスクを軽減できる。血清腫や血腫は、感染症リスクとなり、創傷の治癒を遅らせたり、再手術などの合併症の原因となったりするため、予防が肝心だ。

     古くは1970年代から、毎年何百万人もの患者が、術後に体にたまった水分を除去するため、手動のJP(ジャクソンプラット)ドレーン装置や、アコーディオン式の吸引装置を装着し、退院した。こういった手動式の吸引器は吸引力にばらつきがあり、体液を除去する効果が小さく、滞留や蓄積、逆流などの課題があった。患者の約20%が合併症を起こし、痛みを伴う治療が必要とされるケースも多発し、それに伴う米国の医療費は約60億ドル(約6600億円)に上ると言われてきた。体液の滞留、蓄積、逆流を最小限に抑えるにはスマートな連続吸引と、一方向にのみ作用するバルブが必要とされてきた。その期待にSOMAVAC SVSが応える。

     SOMAVAC Medical社の共同設立者兼CEOのエスラ・ロアン博士は「特に乳がんなど、がん手術を受けた患者にとって、SOMAVAC SVSは重要な意味をもつ。がん患者は、複雑な血清腫や感染症が発症すると、救命治療が遅れ、予後が悪化する可能性が高まる」と説明する。ドレーンやバルブを使用する期間が長いほど、患者の感染リスクは高くなりがちだ。また、乳房切除と組織拡張器による即時乳房再建を行った場合の感染リスクは約25%で、4人に1人がドレーンの使用後3週間以内に感染症にかかるというデータもある。SOMAVAC SVSは強力な吸引力を発揮することにより、ドレーンの使用期間を短縮することが実証されている。

     SOMAVAC SVSは衣服の下に隠れ、目立たないように装着できるため、患者が日常活用に戻りやすいのもメリットの1つだ。UTHSC(テネシー大学ヘルスサイエンスセンター)の形成外科会長のマーク・ブルゼシエンスキー医学博士は「継続的かつ信頼性の高い吸引を実現するSOMAVAC社の技術は、術後のドレーン管理に革命をもたらし、手術結果の改善を支援するだろう」と期待を語る。SOMAVAC社CEOのロアン氏は「特許の取得は、はじまりに過ぎない。今後も、チームで技術を進化させ、臨床結果の向上に取り組み、より革新的なソリューションの提供を追求していきたい」と語る。
    SOMAVAC® Medical Granted US Patent