■喘息ホームモニタリング技術「NuvoAir Home」の効果、米国胸部学会2021で話題

  • (出所:米NuvoAir社プレスリリース)
    (出所:米NuvoAir社プレスリリース)

     大人と子供の喘息の治療と管理に使用する、米NuvoAir社が開発したホームモニタリング技術「NuvoAir Home」の高い臨床効果について、3つの新たな研究結果が米国胸部学会(American Thoracic Society)の第20回国際会議で発表された。患者のアドヒアランス(治療遵守)と満足度が高いことも示された。喘息は患者と医療機関だけでなく、社会全体にとって大きな負担となっている。喘息の診断ミスや誤った治療、自己管理不足により、米国では年間819億ドル(約8.9兆円)、英国では年間62億ポンド(約9400億円)の社会的コストがかかっていると推定されている。正しい自己管理により喘息をコントロールし、病院に行かずに済むことが肝心だが、患者の間では日誌をつけるなどの手動の自己管理は人気がなく、敬遠されがちだ。

     NuvoAirは、呼吸器系疾患を持つ患者が自宅で自分の健康状態をモニターし、結果を医師やNuvoAirケアコーディネーターとリアルタイムに共有できる、人間主導のデジタルケアマネジメントプラットフォームだ。提供される接続デバイスには患者用のアプリがインストールされ、自己管理コンテンツとケアコーディネーションサービスが使用できる。医療機関が使用できるポータルからは、医師が患者のデータを遠隔で監視し、呼吸器系の健康状態の悪化をリアルタイムで把握して、迅速な介入を行うことができる。接続デバイスには、遠隔で肺機能をモニターするBluetooth対応のスパイロメーター(肺活量や換気量を測定する装置)、喘息やCOPDの吸入器に装着してアドヒアランスやテクニックをモニターするセンサー、夜間の咳をモニターするアプリ、アクティビティ・トラッカーなどがある。

     米国胸部疾患学会で発表された1つ目の研究は、ギリシャのIoannina大学医学部が実施したものだ。NuvoAir Homeプラットフォームを使用する患者が、医師の監視を受けずに自宅でスパイロメーターを使った呼吸機能測定をどれくらい実行できるかを評価した。NuvoAir Homeアプリは、カスタマイズされたコーチングとフィードバックを提供し、患者の測定技術向上をサポートする。180日間測定したところ、自宅で行われたスパイロメトリーセッションのうち71%は、米国胸部疾患協会のガイドラインに基づく高品質な測定が実施されたことがわかった。成人の喘息患者が長期間自宅でスパイロメーターを使った呼吸機能測定を行うことで、自己管理と治療を最適化できる、と結論づけている。

     2つ目の研究は、喘息の子供たちを対象に行われたロンドンのRoyal Brompton病院の研究だ。90日間に渡って収集された39人の喘息の子供たちのデータを検証し、スパイロメトリーの結果の品質と遵守状況を調べた。結果、子供たちもNuvoAir Homeプラットフォームを使用し、コーチングを受けることで測定技術が向上することがわかった。また、アドヒアランスも高かった。

     3つ目の研究は、小児に対するスパイロメトリーの受容性を評価する研究だ。喘息の子供18人とその保護者がNuvoAirプラットフォームを約200日間使用した後、その使い心地についてアンケートに回答したところ、被験者はNuvoAir Homeのモニタリングを高く評価した。92.3%が「使用を継続する」と回答、80%以上が「設定や使い方が簡単」、70%が「症状の悪化を察知するのに役立つ」と回答した。

     NuvoAir社のCEOであるロレンゾー・コンソリ氏は「デジタルヘルスツールの成功の鍵は2つある。患者が自宅で効果的に使用できるかどうか、そして使用したいかどうかだ。今回の結果は、NuvoAirが患者の自宅における症状の悪化を検知し、品質の高い管理を行いつつ、医師が遠隔から患者の経過をモニタリングできることを証明している」と語る。同社はボストンとストックホルムにオフィスを構え、最近1200万ドル(約13億円)のシリーズA資金を獲得したばかりだ。
    NuvoAir Respiratory Platform Shows Promise for Long-Term Remote Monitoring of Asthma

(タイトル部のImage:Photobank -stock.adobe.com)