2021年10月2日~8日に海外の企業・大学・研究機関・米食品医薬品局(FDA)などが配信したプレスリリースの中から、注目のニュースをピックアップしました。

■尿で健康チェック「家庭用トイレ光センサー」、イスラエルOlive Diagnostics社

  • (出所:イスラエルOlive Diagnostics社HPより)
    (出所:イスラエルOlive Diagnostics社HPより)
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     自宅のトイレで日常的に健康状態をチェックできる尿分析光学センサー「Olive KG」を開発したイスラエルのOlive Diagnostics社は、このほど、製品発売に向け、イスラエルの世界最大級非営利HMO(健康維持機構)であるMaccabi財団主導の資金調達ラウンドを開始する。

     「Olive KG」はどんなトイレにも簡単に取り付けられ、日々の尿検査で自分の健康状態を把握・管理できる非侵襲的な新装置として、医療分野から高い注目を集めている。高度なスペクトロスコピー(対象物が透過・反射・吸収する光を波長に分割し、対象物中の成分を定性・定量分析する手法)とAIを組み合わせて尿の健康データをリアルタイムに分析し、尿の中に存在する様々な健康阻害物質や生命を脅かす物質などを検出する。

     2021年末までに高齢者施設や女性クリニックに導入し、その後世界の介護施設や個人宅への拡大を目指す。市場は健康状態を正しく把握したいと考える全てのトイレ利用者だ。創業者兼CEOのガイ・ゴールドマン氏は、「目標は、世界中の高齢者施設に当社のデバイスを備えつけること。ユーザーがトイレを使用する度に、膨大な量のデータをシームレスに収集できる。当社は、家庭における遠隔モニタリングをデジタル化し、尿に含まれるバイオマーカーを継続的に検出することで、慢性疾患をより適切に管理するためのサポートを提供する。投資家の期待にしっかりと応えたい」と述べる。

     尿に含まれるデータ(生化学、ミネラル、ビタミン、pHなど)は健康管理に不可欠であり、医療診断の中心的な役割を果たす。本ソリューションは病気の早期発見と早期介入を強化し、高騰する医療費の削減やユーザーの生活の質の向上に貢献すると期待される。

     イスラエルのデジタルヘルス分野の投資会社eHealth Ventrues社のCMOであるジョセフ・ローゼンブラム博士は、「同製品によってもたらされる革新と可能性は無限だ。尿から得られる膨大な情報を考えれば、これが大きな機会となることは明らか。Olive社の洗練された技術は、動いている尿を瞬時に分子レベルで検出できる点が革新的。これまでのコップと紙を使う煩わしい検査は、もはや時代遅れとなるだろう」と述べる。
    Urine Analysis Enters Golden Era With World's First Hands Free Optical Sensor For The Toilet Targeting Early Detection Of Disease In The Elderly And Even Pregnant Women

■次世代スマートウォーターボトル「HidrateSpark TAP」、米HidrateSpark社

  • (出所:米HidrateSpark社プレスリリース)
    (出所:米HidrateSpark社プレスリリース)
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     水分補給を通じて健康的な生活をサポートする米HidrateSpark社が、次世代スマートウォーターボトル「HidrateSpark TAP」を発売した。HidrateSpark TAPは、プラスチック製とステンレススチール製の両方から選べる、最新のスマートウォーターボトルコレクションだ。スマホの角でボトルを「ピッ」とタッチするだけで、毎日の水分摂取量を自動記録できる、特許出願中の「Tap-to-Track」技術を搭載。無料のHidrateSparkアプリと連携すると、日々の水分摂取量を目標摂取量と比べたり、友達と繋がったりできる他、チャレンジに参加してトロフィーを獲得したりなど、様々な楽しみ方ができる。

     共同CEOであるコールマン・アイバーソン氏は、「ここ10年間何も変化もなかった飲料用品業界に、HidrateSpark TAPスマートウォーターボトルコレクションが、新しい技術で革新を巻き起こす。米国人の75%が慢性的な脱水状態にあると言われており、適切な水分補給は健康にとって何より重要だ。スマートウォーターボトルとHidrateSparkアプリのパイオニアとして、水分補給を通じて人々の健康的な生活をサポートしたい」と語る。

     HidrateSpark TAPボトルは、1時間毎に光って水分補給のタイミングを知らせる。光り方はカスタマイズでき、7色の光から選べるカラー展開。素材はトライタンプラスチック製(透明性・耐薬品性・強靭性・成形性・耐熱性を兼ね備えた新世代のコポリエステル樹脂)と断熱ステンレススチール製の2種類を用意している。

     トライタンプラスチック製のボトルは約700mlサイズが19.99ドル(約2200円)、約950mlサイズが21.99ドル(約2500円)だ。軽量で割れにくく、匂いがつきにくい構造だ。一方、ステンレススチール製の約600mlのボトルは29.99ドル(約3300円)。真空断熱構造で最大24時間保冷でき、結露しない。直接飲むタイプとストロータイプの2種類から選べ、hidratespark.comで10月5日より先行販売を開始する。アプリは、Apple AppまたはGoogle Play Storeで無料ダウンロード可能だ。

     2014年の発売以来、HidrateSpark製品の利用者は、スマートウォーターボトルを毎日使用することで、約1億本相当のペットボトル汚染から地球環境を守ってきたという。同製品は、プラスチックゴミを減らし、地球環境と海洋汚染を防ぐ取り組みでもある。
    HidrateSpark Launches HidrateSpark TAP, the Most Affordable Smart Water Bottle Yet with Tap-to-Track Technology that Helps Keep You Properly Hydrated All Day Long

■米国筋ジストロフィー協会(MDA)、障害者雇用促進プログラムを発表

  • (出所:米国筋ジストロフィー協会(MDA)プレスリリース)
    (出所:米国筋ジストロフィー協会(MDA)プレスリリース)
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     米国筋ジストロフィー協会(MDA)は、米国の障害者専門家や団体と協力し、「障害者と企業の間の溝を埋め、未開発の人材層を掘り起こす」障害者雇用促進プログラムを発表した。近年のリモートワークの普及に伴い、障害者にとって働きやすい職場環境が少しずつ整ってきている。企業にとって、多様性のある職場は、優秀な人材を惹きつけるセールスポイントだ。MDAは、障害者雇用啓発月間を通じ、障害者が仕事を通して経済的な自立を達成できるよう、雇用機会を提供する取り組みを行う。

     MDAのチーフ・オブ・スタッフであるクリスティン・ウェルカー氏は、「私たちはニューヨーク市長障害者事務所で、パートナー団体や、障害を持つ求職者をサポートする雇用プラットフォームであるInclusively社と協力し、産業界の課題を克服し、障害者の雇用機会の開拓支援を行っている。本プログラムは最初の1歩。米国の4人に1人は障害者という実態に見合うよう、よりインクルーシブな職場の実現に向けて尽力したい」と述べる。

     いよいよ一連のプログラムとプラットフォームがスタートする。MDA、ニューヨーク市長障害者事務所、Inclusively社は、他のDEI(多様性、公平性、包含性)権威者や擁護者、教育指導者、業界幹部などの著名なグループと共に、障害者雇用に関する課題を議論し、経験や専門知識を共有し、雇用者と求職者が職場で成功を収めるためのステップを探る円卓会議を開催する予定だ。また、MDAはパートナーであるInclusively社を通し、募集職種に最適な人材を探す。Inclusively社は同社のジョブマッチング技術を用い、MDAのニーズに合致する求人を紹介する。

     「学生は社会人と接する機会を持つことで、社会人として成功するためのスタートを切ることができる」とMDAは考える。そのため、MDAはGeneral Motors社(GM)とパートナーシップを組み、「STEM(Science、Technology、Engineering、Mathematics)コネクションプログラム」を拡大している。10月から11月にかけ、神経筋疾患を患う16歳から21歳の若者にメンターを派遣し、STEM分野における高等教育や就職の機会について学ぶ場を提供する。メンターシッププログラムを通し、参加者がメンターと一緒に働くことで自信をつけ、職場での対応力を身につけることが狙い。MDAはインクルーシブな労働力の導入を促進する最新の試みを通じ、障害を持つ人々をサポートする使命を貫く。

     本活動は、今まさに起きている「職場の規範の変化」にぴたりと当てはまる。MDAが発行する雑誌『Ques』の最新号では、在宅勤務に焦点を当てている。2020年後半にPwCが実施した調査では、在宅勤務に対する雇用にポジティブな変化が見られ、83%の企業がリモートワークへの移行は自社にとって成功したと回答している。MDAは、今後もQuestコンテンツプラットフォームを利用し、インクルーシブな職場づくりの取り組みの進捗状況を伝えていく。

     MDAは設立以来70年にわたり、筋ジストロフィー、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、及び関連する神経筋疾患を患う人々の生活の支援として、神経系疾患の研究に10億ドル(1100億円)以上を投じ、治療法の開発を促進してきた。研究は治療法の開発に直結している。MDAのMOVRは、複数の神経筋疾患の臨床データ、遺伝子情報、患者からの報告データを集約し、健康状態を改善し、医薬品開発を促進するための最初で唯一のデータハブとなっている。

     MDAは、米国内の150以上の主要な医療機関でクラス最高のケアを提供、学際的なクリニックのネットワークをサポートしている。リソースセンターでは、1対1の専門的なサポートをコミュニティに提供し、家族や医療従事者向けの教育会議、イベント、教材なども提供している。また、地域社会への平等なアクセスを支援し、毎年、何千人もの子どもや若者が、サマーキャンプやレクリエーションプログラムを通じ、重要なライフスキルを学び、自立した生活を送っている。
    Talent for Hire! Finding Accessible Employment in the Work-from-Home Era

(タイトル部のImage:Photobank -stock.adobe.com)