デジタルヘルスによる「可視化」が標準化を後押し

 次に(2)の標準化と個別化についてです。

 今は、地域格差や医療・介護提供者の技術や知識の格差などを背景に、提供されるサービスが必ずしも標準化されていません。今後は、さまざまなガイドラインの登場も含め、もっと標準化が進む方向になっていくと思います。

 そのカギを握るのが、デジタルヘルス(ヘルスケアのICT活用)による「患者情報の可視化」です。患者の日常データが集積されるなど、これまで見えなかった多くのデータが見えてくるようになると、当然、そのデータを分析していった結果として、標準化が進むことになるでしょう。

 一方で、標準化したものを誰に対しても単に当てはめてしまえば良いということではありません。標準化された上での個別化も進みます。例えば遺伝子解析の結果のようなプレシジョンな情報が明らかになり、また個人の嗜好や社会背景、経済状況など、個別の事情の医療への影響は、これまで多くの指摘があります。それをきちんと踏まえた医療をコーディネートする、いわばコンシェルジェ的な役割が、現代の技術の高度化に合わせて、生まれてくるでしょう。

 今はなんとなく標準化と個別化が混在してしまっているのですが、今後は標準化できるところと個別化できるところを分けて考えていかなければなりません。その整理がどんどん進んでいくのだと思っています。