市場の概要
・これまでは、買っても売らない
・日本の技術×アート「 Tech Art 」
・R&D をそのまま作品にして
・ブランディングも向上する

攻略のポイント
・エディション
・パーソナライズ
・ハイエンド市場

 日本のクリエーターが生み出すメディアアートやインスタレーションアートのニーズが世界中で急増している。日本の様々なジャンルのデザイナーがアート志向を高めており、彼らの名前が世界中に知れ渡ってきたことが大きい。

 イタリア・ミラノで毎年4月に開催されるデザインの祭典「ミラノサローネ」や、毎年12月に米フロリダ州で開催される「デザインマイアミ」といったデザインとアートが融合するイベントにここ数年、日本のデザイナーや企業が参加し続けた。その結果、禅を彷彿させる日本のシンプルさや日本独自の文化が持つ世界観が、世界で受け入れられ始めた。シンプルな美しさを精巧に実現するデジタルテクノロジーやモノづくり技術も併せて輸出されるようになってきた。

 急先鋒を行くのがチームラボをはじめとする日本のデジタルアーティスト。チームラボは上海やシンガポール、ロンドンなど世界中で同社が作り上げたコンテンツを活用したアートインスタレーションを展開、多くの人を集めている。

 プロダクトの分野では、世界的なデザインオフィスのnendoなどが自作の椅子やインスタレーションなどを、ミラノサローネを中心して展開。展示した作品の多くはアート専門のディーラーを通じてコレクターや美術館に高値で買い取られた。

 こうした作品はある程度の数量を作ることが可能だったり、デジタル技術を活用したメディアアートだったりする点が従来と異なる。先行者の成功を見て今、多くの若手デザイナーがこの市場に参入している。日本の製造業のR&D(研究開発)の力と組み合わせることで高水準のアート作品になり、売れると分かってきたからだ。

 ESGへの取り組みとして企業が地域に貢献をする際、アートを活用するニーズも高まっており、そこへある程度の量産が可能なテクノロジーアートを提案、販売、納入できれば、日本の輸出を大きく伸ばせる。

 攻略のポイントはエディションをしっかり管理し、むやみに数を作らないこと。特定の自治体向け、特定の富豪向けにつくることもある。大勢に売るわけではないので、右脳を駆使しハイエンドのデザインを生み出す必要がある。