日経BP 総合研究所「生理快適プロジェクト」が行った「働く女性1956人の生理の悩みと仕事と生活」調査では、生理休暇の利用率は1割未満にとどまっており、5割以上の女性が「職場は生理についての理解がない」と感じていることがわかりました。また、女性社員は企業に「治療支援」と「生理についての理解を深める研修」を求めていることも明らかになっています。 第1回に続き、調査結果の一部をご紹介します。

 18歳〜49歳の働く女性1956人に、生理に伴う不快な症状を抱える女性をサポートする職場の制度について聞いたところ、63.2%の人は生理休暇があると答え、テレワークやフレックスタイムがあるという回答が続きました。中でも従業員数1,000人以上の大企業に勤めている人は7割が生理休暇、5割は柔軟な働き方制度があると答えています。ただし従業員数9人以下の企業に勤める人の約6割は「生理による不快な症状をサポートする制度はない」と回答。生理休暇がある答えた人は25%にとどまっており、企業規模の違いによって制度や認知率に格差が生じています。
 また全体を通して、婦人科の受診補助や服薬支援などの制度がある人はごく少数で、組織における生理ケア制度としては「休暇」のみで、「治療」まで至っていないことが明らかになりました。

 そして生理休暇制度があると答えた人でも「ほぼ毎回利用している」という人は全体の1.9%、生理に伴う症状が強い人でもわずか2.7%でした。全体の47.7%、症状が強い人の57.6%が「利用したいと思うことがあるが、利用したことがない」と答えています(図1)。

図1●働く女性の生理休暇利用率
出所:日経BP 総合研究所『「働く女性1956人の生理の悩みと仕事と生活」調査』

 利用しにくい生理休暇のかわりに、2割の人が生理のために有給休暇を使っていました。しかし「症状が強いが我慢している」人でも3割以上の人が「生理の症状のために仕事を休んだことがない」と答えています。

 なぜ生理休暇を利用していないのか理由を尋ねたところ、「男性上司に申請しにくい」が61.8%でトップでした。次いで「利用している人が少ないから申請しにくい」が50.5%、「休んで迷惑をかけたくない」が36.2%と続いています(図2)。

図2●生理休暇の利用しにくさの背景
出所:日経BP 総合研究所『「働く女性1956人の生理の悩みと仕事と生活」調査』 

 そして勤務先に最も求められているのは「婦人科受診費用の補助」(33.4%)で、2位が「低用量ピルの服薬支援」(30.4%)でした。次いで「生理についての理解を深める男性も含む全社員対象の研修」(29.6%)、「管理職対象の研修」(29.2%)が続き、治療の支援と、会社全体で女性の健康についての理解を深める研修を希望していることがわかります。

 半数以上の女性は「職場は生理関連の不調を抱える人に対して理解がない」と回答していますが、「職場の理解がある」と答えた人の職場では、「柔軟な働き方」や「診療窓口の充実」などの制度の導入率が高いことがわかりました。また「職場の理解がある」人は、そうでない人に比べ、上司や女性同僚から配慮・サポートを受けていると感じており、「今の職場が好き」「ずっと働き続けたい」と答える比率も高いことも明らかになっています。企業が制度を整備すると、「職場の理解がある」という評価につながり、人材の定着率向上など好循環が生まれるようです。

 「休んで迷惑をかけたくない」という声があるように、男女が同じように働き活躍することが期待される今の時代に、女性だけが毎月、生理休暇を取り続けることは非常に困難です。「生理休暇を使わなくても済む」対策を整備する、受診や治療を促して症状が軽減した人を増やすことが、本当のウェルビーイング経営であるといえそうです。

<調査概要>

日経xwomanをはじめ日経グループのメディア読者・ユーザーを中心に、働く女性を対象にWEBアンケートを実施。現在生理がある、または妊娠中・産後の人で、かつ生理前や生理中に「不快な症状がある」あるいは「医療機関で治療を受けていて、不快な症状はあまり気にならない」と答えた18歳〜49歳の女性1956人から回答を得た(20代以下 204人、30代 738人、40代 1014人)。調査実施期間は2021年8月2日~20日。

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