日経BP 総合研究所「生理快適プロジェクト」が行った「働く女性1956人の生理の悩みと仕事と生活」調査では、生理の不快な症状を医療機関で治療し軽減した人は、仕事の継続意向やキャリアアップ志向が高いことがわかりました。しかし8割の人は「不快な症状を軽減するための対策」について「特に教育を受けたことがない」と答えており、知識不足や「生理の格差」の存在も明らかになっています。第1回第2回に続き、女性活躍推進のためのキーとなる生理の問題について調査結果をご紹介します。


 生理の不快な症状について「治療して症状が軽減している」人は、「症状が強いのに治療せず我慢している」人よりも「ずっと働き続けたい」という意向が強いことがわかりました(図1)。同様に「キャリアアップしていきたい」という意欲も10ポイント高いという結果も得られています。さらに、昇格・昇進試験や海外赴任への意欲が約2倍であり、複数の人が関わるプロジェクトでリーダーを務めた経験率も11.5ポイント高いという結果になりました。第2回で生理休暇を取得できている人は1割未満というデータを紹介しましたが、働く女性が治療を受け、生理による不快な症状を軽減すると、リーダーとしての活躍や、前向きなキャリア形成につながる可能性が考えられます。

図1●働く女性の継続勤務意向
出所:日経BP 総合研究所『「働く女性1956人の生理の悩みと仕事と生活」調査』

 医療機関を受診した人にきっかけを聞いたところ、「不調を感じ、自分の意思で」が63.1%でトップ、2位は「健康診断などの結果から」が22.5%でした。医療機関を受診し、薬を処方された人の中で、最も効果が感じられた治療法は「低用量ピル」で、「症状が出なくなった」約3割の人を含め、約7割が「症状がほぼ改善した」と回答しています。

 一方、生理の不快な症状があっても医療機関を利用していない人に、その理由を尋ねたところ、症状が強い人でも55%の人が「病院に行くほどの症状でないと思うから」と答えており、「不快な症状を治療できると知らなかった」という人も1割弱存在しました(図2)。

図2●生理の不快な症状を軽減するために医療機関を受診しない理由
出所:日経BP 総合研究所『「働く女性1956人の生理の悩みと仕事と生活」調査』

 また「不快な症状を軽減するための対策」について「特に教育を受けたことがない」と答えた人が8割にのぼっており、思い込みや知識不足が、医療機関を受診する障壁になっていることが伺えます。
 そして従業員数9人以下の企業に勤める人とフリーランスの人は「お金がかかるから」「不快な症状を治療できると知らなかった」と回答する比率が高く、生理休暇などのサポート制度と同様、大企業に勤めている人との間で格差が生じていました。

 こうして生理の不調についての知識が不足しているため、ひどい生理痛は「月経困難症」という病気であることや、生理痛や過多月経の原因が「子宮内膜症」や「子宮筋腫」などの婦人科系疾患である可能性について、正しく理解されていないことが考えられます。「不調を感じ、自分の意思で」医療機関を受診したという人の中には、すでに症状が進行・悪化してしまっているケースもあるはずです。

 現在の一般的な健康診断では「生理の頻度」や「痛み」についてはあまりチェックされていないため、婦人科の問診項目を追加したり、企業が婦人科検診の機会を補助したりすれば、受診や治療のきっかけになります。女性だけでなく企業や社会全体が生理について正しい知識を得ること、治療しやすい環境を整えてケアしていくことが、女性が活躍していく上で大きなサポートになるはずです。

<調査概要>

日経xwomanをはじめ日経グループのメディア読者・ユーザーを中心に、働く女性を対象にWEBアンケートを実施。現在生理がある、または妊娠中・産後の人で、かつ生理前や生理中に「不快な症状がある」あるいは「医療機関で治療を受けていて、不快な症状はあまり気にならない」と答えた18歳〜49歳の女性1956人から回答を得た(20代以下 204人、30代 738人、40代 1014人)。調査実施期間は2021年8月2日~20日。

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