北京冬季五輪が終わった。二つの観点から、その経済効果を分析している。まず、直接的な観光から食事・宿泊サービス、レッスンから用具までの「ウインタースポーツ経済」だ。これまでの「マイナースポーツ」というイメージを打破し、トレンドを牽引するZ世代にも人気が出たという。政府が発表した「第14次五カ年計画」の中で冬季五輪を契機に飛躍的発展をすることを打ち出し、25年には観光客は5億人に達し、観光収入は1兆1千億元を超えるとみる。一方でカーボンニュートラルを掲げたグリーン五輪であり、交通やインフラ建設、材料の使用、AIや5G、ロボットなどの活用に至るまでCO2排出を実質ゼロにすることを目指した。この実践は、将来の脱炭素化に向けて数億元規模、ひいては数千億元規模の投資チャンスが数多く出現することを改めて示したとしている。(日経BP 総合研究所)

 2022年北京冬季五輪は、人々のウインタースポーツをしてみたいという気持ちをかき立てた。2021年10月末時点で、中国でウインタースポーツをしたことのある人は3億4600万人に達し、18年に打ち出した「ウインタースポーツ人口3億人」という目標はすでに達成され、25年には5億人を超える見込みだ。北京冬季五輪は一体どのような「冬季五輪経済効果」をもたらしたのだろうか。

冬季五輪が「ウインタースポーツ経済」を活性化

 SNSの友だちの半分がスキーに出かけている!

 社会経済の発展に伴って、中国のウインタースポーツ産業はマイナースポーツから大衆のファッショナブルなライフスタイルへ、見向きもされなかった観光資源から経済のホットスポットへと発展し、徐々に急成長段階に入っている。今年のシーズンには、北京冬季五輪が開催されたことで、これまでの「マイナースポーツ」や「エクストリームスポーツ」といったイメージを打ち破って広く受け入れられるようになり、さらにはファッションを追求しトレンドを牽引するZ世代の間でも人気が出ている。

 郗若涵さん(26)は哈爾浜(ハルビン)出身で、スキーのコーチをして4年になる。「今、教えているのはほとんど若い人ばかりで、スキーをやってみたいという意欲と熱意があり、好きなことのためには『投資』も惜しまない。スキー場はどこでもスキー用具のレンタルサービスがあるが、最近はヘルメット、ブーツ、板などのスキー用具を持参する若者が増えている」という。

 ウインタースポーツ観光から食事・宿泊のサービスまで、スキーのレッスンから用具まで、「ウインタースポーツ経済」をめぐる産業の範囲が拡大し、ポテンシャルが顕在化しつつある。

ポスト五輪時代のウインタースポーツ産業

 「第14次五カ年(2021-2025年)計画スポーツ発展計画」は、2022年北京冬季五輪の開催準備を契機に、ウインタースポーツの飛躍的発展を実現することを明確な目標として打ち出した。中国観光研究院がこのほど発表した報告書によると、25年には中国のウインタースポーツ観光の延べ観光客数は5億人に達し、国内のウインタースポーツ観光収入は1兆1千億元(1元は約18.2円)を超える見込みだ。

 北京冬季五輪はウインタースポーツ施設の建設ラッシュを引き起こした。国家体育総局の関連データを見ると、15年には国内のスキー場は568ヶ所だったが、19年は770ヶ所に増加し、22年は1千ヶ所を超える見込みだ。ウインタースポーツ市場が開拓を続け、ウインタースポーツ消費の原動力も活性化を続けている。設備と場所がありさえすれば、ブームは起こせる。新型コロナウイルス感染症が終息した後、中国はウインタースポーツブームを迎えることになるだろう。

 「2020年中国スキー産業白書」によると、世界の屋内スキー場雪ゾーン面積上位10ヶ所ランキングで、中国は半数を占めた上、ベスト3もすべて中国のスキー場だった。ポスト冬季五輪の時代に、中国のウインタースポーツ産業は「南に展開、西に拡大、東に進出」の流れを形成し、全国各地における消費の新たな特徴になるとみられる。またウインタースポーツ市場の開拓は、より多くのより強力な関連産業も派生させ、ウインタースポーツ経済の乗数効果を生み出していくことが見込まれる。

冬季五輪が多くの業界にとってテストの場に

 冬季五輪はウインタースポーツ経済に火を付けただけでなく、多くの業界にとってもテストの場になった。最も代表的なものはデジタル人民元だ。デジタル人民元は今回の冬季五輪の注目点の1つで、すでに冬季五輪の35万5千のシーンで応用され、交通・移動、飲食・宿泊、ショッピング・消費などあらゆるシーンをカバーし、世界に向けて中国がデジタル通貨でどれほど先進的なレベルに達しているかを改めて示すことになった。

 もう1つの代表的なものはクリーンエネルギーで、クリーンエネルギーを動力源とした車両が冬季五輪サービス車両全体の85%以上を占めた。

 さらに注目されるのは、冬季五輪での水素エネルギーの応用で、水素エネルギーをめぐる市場投資ブームをさらに加速させ盛り上げることが期待される。

将来のカーボンニュートラル時代の投資バロメーター

 北京冬季五輪はカーボンニュートラルの目標を達成したグリーン五輪であり、会場やインフラの建設から、グリーンで環境保護に配慮した材料の使用、人工知能(AI)や5G、スマートロボットなどの先端技術活用に至るまで、排出された二酸化炭素(CO2)をすべてニュートラル化することを目指した。

 たとえば、五輪開催期間中にクリーンエネルギー車両を使用することでCO2排出量を約1万1千トン削減。これは約3333ヘクタール以上の森林が1年間に吸収するCO2の量に相当する。

 北京冬季五輪でのカーボンニュートラルをめぐる実践は、将来のカーボンニュートラル時代には数億元規模、ひいては数千億元規模の市場投資チャンスが数多く出現するということを改めて示している。

 将来的には、今後のポスト五輪時代にも、北京冬季五輪がもたらした「冬季五輪経済効果」は続き、より多くの価値を生み出していくことが予想される。(出所:人民網日本語版)