ここ数年、成長著しい中国への投資を加速してきた日本企業。昨年発生した新型コロナウイルス感染症の猛威が以前収まらない中、今後はどうなっていくのか? その投資動向は、日本企業はもちろんのこと、日本企業の投資を呼び込もうとする中国の地方政府や開発区も大きな関心を抱いている。

 こういった関心に応えるために、日経BPは日本企業の中国への投資意欲を明らかにする目的で、ビジネスパーソン向けに「華東地域における都市の認知度・投資意向調査」を実施した(2021年1月下旬~2月上旬実施、回答者数1170人)。

 最初に海外事業全体に関して「2020年と比較して、2021年はどうなるか」を尋ねたところ、「積極的になると思う」が24.0%、「どちらかといえば積極的になる」が30.9%、「変わらない」が33.2%となった。海外事業への熱は覚めていないばかりか、半数以上の回答者がさらに加速する意向があることが分かった。コロナの渦中にありながらも、今後の成長を「海外事業」に求めている姿が浮き彫りになった。

今後、勤め先の海外における事業への取り組みは、2020年までと比較してどうなると思うかを尋ねた結果
今後、勤め先の海外における事業への取り組みは、2020年までと比較してどうなると思うかを尋ねた結果
(出所:日経BP)
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 では、海外事業で注目している国はどこなのか? 「現在事業を展開している」「展開を検討している」といった二つの回答を合わせ、欧米や東南アジアを抑えてトップになったのがやはり「中国(本土)」だ。約4分の3の回答者が中国を注目している結果となった。多くの日本企業にとって、「自社の成長に中国事業は欠かせない」と見ていることが改めて明らかになった。

 中国で注目する事業領域については、「新エネルギー車/自動運転」が第1位に、第2位は「スマート製造/ロボット」、第3位が「5G/新通信サービス」だった。

中国で展開する事業領域として、関心があるものを尋ねた結果
中国で展開する事業領域として、関心があるものを尋ねた結果
(出所:日経BP)
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「中国の各都市」はどれだけ知名度があるのか?

 このように日本企業がより海外事業を積極化する中、隣国であり最も注目されている中国には、これまで以上の投資が期待できる。では、日本側のビジネスパーソンは、投資対象となる中国の各都市をどの程度認知しているのか。成長が著しい「揚子江デルタ地域」の都市に絞って尋ねた(対象都市は、上海、蘇州、南京、無錫、南通、常州、鎮江、揚州、昆山、常熟、張家港、太倉、杭州、寧波、紹興、嘉興の16都市。参考のために中国中央部に位置する合肥、武漢、重慶、成都の認知度も尋ねた)。

知っている都市を尋ねた結果
知っている都市を尋ねた結果
(出所:日経BP)
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 最も認知度が高かったのは上海で約90%。それに武漢、重慶、南京、蘇州が続いた。これらの都市は70%以上の回答者が「知っている」と答えた。

 一方で、認知度が高くない都市も少なくない。7都市については20%以下の結果となった。広大な国土を持ち日々変化のスピードが速い中国において、選択肢に挙げた都市は成長の可能性の高い都市として本土内では注目されている。このような都市に、早めに目を付けておくことも重要であろう。

 では、各企業は、中国の都市のどんな点に注目し、何に期待しているのか。今回の調査では、「中国進出において重視する点」も聞いた。第1位は「人材を確保しやすい」(44.5%)だった。第2位以下は「周囲に販売先やサプライヤーが集積している」(31.0%)「産業の発展が見込まれる」(29.2%)「駐在する日本人が暮らしやすい」(27.4%)の順だった。

 「人材」とは、労働力だけでなく、将来の経営を任せられるような若者や中間層も含まれる。これらの人材が豊富であることを重視する企業が多いようだ。

日経BP総研では、中国の開発区や、市場に関するレポート・セミナーなどで情報発信を続けております。また、中国企業とのマッチングや、中国国内での情報発信などのご相談も承っておりますので、ご興味のある方はお問い合わせフォームからご連絡ください。