4月16日に常熟市人民政府、常熟国家高新技術産業開発区主催の下で「第2回 江蘇省常熟市中日合作創新産業園報告会」が開催された(第1回は2019年3月に開催)。同セミナーは、日中双方へ新エネルギー車を中心とした次世代自動車に関する情報を発信することと、同分野に関して日中の産業協力を促進することを目的としたもの。常熟市にはトヨタ自動車が研究開発や部品製造などの拠点を構えているなど、次世代自動車に関して日本企業との連携を非常に重視しているという背景がある。日中経済協会がセミナーの後援をし、日経BP総合研究所がプログラム企画などの協力を行った。

メイン会場となった常熟世界総合学院(UWC)のホールには100人を超える関係者が集まった

 今年3月、第13期全国人民代表大会(全人代)が中国・北京市で開催され、2021~25年の第14次5カ年計画が発表された。それを受け、中国では新たなキーワードとして「炭中和(カーボン・ニュートラル)」がクローズアップされている。全人代を契機に、2030年にCO2排出量をピーク・アウトし、2060年に炭中和を実現することを目的に、中国の地方政府や大手企業などが一斉に動き始めている。次世代自動車はこの流れの中で、日中が協力して開発を加速化しなくてはならない分野の一つであることは間違いない。

 セミナーの冒頭、常熟市人民政府書記の周勤第氏が、日本企業に対する期待などのメッセージを伝えた。続いて同常務委員で常熟国家高新技術産業開発区書記の王建国氏、副市長の万暁軍氏ら常熟市幹部が、常熟市の紹介を行った。

常熟市人民政府書記の周勤第氏

 引き続き、「第14次5カ年計画から読み解く中国自動車産業の新潮流」をテーマに、3人の識者から講演が行われた。愛知工業大学工学部客員教授で元トヨタ自動車の藤村俊夫氏からは、脱炭素を実現するための自動車産業のロードマップなどに関する講演が行われた。既に常熟に拠点を構えているトヨタ自動車研究開発センター 董事長兼総経理の中尾清哉氏は、同地におけるトヨタの新エネルギー事業の取り組みについて紹介した。中国自動車工程学会国汽戦略院 院長助理 兼 自動車電動化研究センター 副主任の趙立金氏は、中国の新エネルギー車の産業発展動向について各種のデータを交えながら講演した。常熟市は同日、日本事務所を開設しており、最後にそのお披露目も行われた。

 同セミナーは、常熟市にある常熟世界総合学院(UWC)の図書館内にあるホールをメイン会場として開催され、100人を超える関係者が集まった。また、日本では日経BP内にあるセミナールームにも約30人の聴講者を集め、双方の会場を中継で結んだ。セミナーの様子は同時刻にオンライン配信も行ったが、400人以上が視聴するなど、同テーマが多くの関係者に興味深いものであることが証明されたといえる。

日本会場の様子

 日経BP総合研究所では、中国の地方政府の要望に応じて、都市ごとの産業構造や発展計画に基づいたより効果的、効率的な日本企業との産業協力実現に向けたコンサルティングを実施している。具体的には、本セミナーのようなイベントをはじめとするさまざまな手法で日本企業に情報提供を行っている。世界情勢の急変で中国の日本企業への期待も変化している。中国への進出、事業拡大を計画中の日本企業の方には、今後も有益な情報の提供を継続していくので、ご注目いただきたい。中国企業とのマッチングや、中国国内での情報発信などのご相談も承っておりますので、ご興味のある方はお問い合わせフォームからご連絡ください。