市場の概要
・人間に関する情報活用
・脳を鍛えるなど超人化

攻略のポイント
・AIとITの徹底利用
・情報セキュリティ
・プライバシーへの配慮
・倫理問題

 社会の在り方を変え、仕事のやり方を変え、生活を変えてきたテクノロジーにとって最後のフロンティア(未開の地)は人間そのものである。前章で紹介したように健康や医療の領域に最新テクノロジーが次々に適用されている。さらに人そのものの情報の活用や、人の機能をテクノロジーで向上させる取り組みが新たな市場をつくると期待されている。

 一人ひとりの人が発生させる、あるいは取り入れる情報量は極めて多い。医療データ以外にも、日々の仕事や生活で様々なデータを発生させ、利用している。これらを記録、分析することで生活や仕事の利便性を高められる。提供できる範囲の情報を外部に売ることもできる。

 こうした個人の情報のうち、かなりのものはインターネット上の検索やSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)といったサービス事業者が集めている。これを個人が自分で持つようにし、個人の判断が必要に応じて情報を貸与したり販売したりするようになると考えられる。

 ただし、この管理を個人がするのは煩雑なので管理代行サービスが登場するだろう。個人情報活用のコンサルティングも含め、新しい市場が期待される。

 一方、人の機能強化についてまずターゲットになるのは脳である。脳科学の知見を活用した、脳機能の向上や低下防止のトレーニングサービスが登場している。

 どこまで認めるのか、議論の余地があるが、脳に外部から刺激を与え、学習能力を上げ、やる気を出すテクノロジーもすでに登場している。さらに様々なサポート機器により人体そのものを強化する研究も進んでいる。

 いずれも「もっと人の力を引き出そう」「本来の力を発揮させよう」という意図で開発が進められているが、テクノロジーと人間の一体度が増していくことになり、前述の通り「どこまで認めるべきか」というルールも合わせて検討することが求められる。