京都ビッグデータ活用プラットフォーム運営協議会(会長:山下晃正京都府副知事)の第8回全体会議において、日経BP 総合研究所戦略企画部長の高橋博樹が「見え始めた近未来の新市場 空間×ヘルスケア 2030 ~健康で幸福な人生100年時代を実現する街づくり~」と題した特別講演を行った。会議は2021年7月15日にオンラインで開催され、計118人が視聴した。

冒頭であいさつする山下晃正会長(京都府副知事、当日の画面より)

 京都ビッグデータ活用プラットフォーム運営協議会は、京都をスマートシティ実践・実用化の「先進地」にすることを目指し、京都府、京都スマートシティ推進協議会、京都産業21によって2019年11月に設立された。大学や研究機関、企業、観光連盟、DMO、行政など105の企業・団体が登録している(令和2年度実績)。

 山下会長のあいさつに続いて行われた特別講演で高橋は、「健康で幸福な人生100年時代」を2030年に実現するために目指すべき未来の旗(ビジョナリー・フラッグ)として、日経BP 総合研究所が提唱している「空間×ヘルスケア 2030」について、イラスト(参考サイト)を交えながらその姿を解説した。

オンラインで講演する高橋(当日の画面より)

 講演で高橋は、2030年には病院だけでなく住宅、ワークプレイス、薬局、モビリティなど、街のあらゆる場所が「未病(健康と病気の中間にある状態のこと)の改善」に資する空間にしていかなくてはならないと説明。その裏付けとなるAI(人工知能)やIoT(Internet of Things)、自動運転技術などテクノロジーの進展について解説した。

 その上で高橋は、ヘルスケア関連の個人データを計測・蓄積する仕組みや、視覚や聴覚、触覚など五感に訴えて人々のストレスを軽減する仕掛けなどがあらゆる空間で提供されている未来を提示。このような「空間×ヘルスケア 2030」のビジョンを社会実装するには、医療・健康分野だけにとどまらないあらゆるプレーヤーによる共創が求められていると訴えた。

 第8回全体会議では高橋による特別講演のほか、京都府が進めている「けいはんなサスティナブルスーパーシティ」の紹介、運営協議会の活動報告などが行われた。特別講演は好評で、事務局を務めた京都府によると「空間×ヘルスケア2030というキーワードやその構想がとても興味深かった」「特別講演を大変興味深く聞かせていただいた」といった声が寄せられたという。

 なお、「空間×ヘルスケア 2030」と京都府は今後、連携して実証実験を進めていく予定だ。まずは、けいはんな学研都市(関西学術研究都市)を舞台としたプロジェクトについて検討を開始したところだ。

(タイトル部のイラストレーション:©kucci,2020)

日経BP 総合研究所では、今回の講演テーマである「空間×ヘルスケア 2030」について、これまでの成果をまとめた書籍を今年6月に発刊している。