今や中国を「AI大国」と称しても、異を唱える人はいないだろう。経済産業省が行った調査によれば、人口知能(AI)のコア技術に関する中国の出願は2017年が6858件と、米国(5954件)を上回り、日本(803件)の8倍以上にもなるという。その中国において7月上旬、「世界人工知能大会」が開催された。300以上の企業が参加したこのイベントでは、フォーラムなどが100回以上行われるなどAIに関する様々な最新技術が一堂に会し、その勢いを見せつけた。(日経BP 総合研究所)

 世界人工知能(AI)大会2021がこのほど上海で開幕した。フォーラムなどのイベントが100回以上行われ、300以上の企業が参加して、AI技術のイノベーションと産業化の最先端の進展状況を展示する場になる。「経済日報」が伝えた。

 今年の世界AI会議はさながら生き生きとした実験場だ。さまざまな目新しく、楽しく、実用的な技術が一堂に会し、AIが私たちのすぐ側にあることを教えてくれる。

業界の発展で人に寄与

 上海では4年連続で同大会が開催され、その4年間で中国のAI産業は急速に発展した。昨年末現在、世界のAI産業の規模は前年比12.3%増の1565億ドル(約17兆1900億円)に達し、中国は同13.75%増の434億ドル(約4兆7670億円)に達して増加率で世界を上回った。グローバルAI競争の局面において、中国はすでに先頭集団に入っている。同大会のガバナンスフォーラムで発表された「世界AIイノベーション指数報告2020」でも、中国のAIイノベーション指数は米国に次ぐ2位に躍進したことが伝えられた。

 百度(バイドゥ)の創業者であり、会長兼最高経営責任者(CEO)の李彦宏氏は、「AIが今後40年間の人類の発展プロセスに影響を与えることは間違いない。交通、金融、工業、エネルギー、メディアなどの業界にデジタル化による高度化の新たなアプローチや解決策をもたらし、業界の再構築さえ始まっており、ひいては人類社会の未来に影響を与えることになる。AIの価値は人に寄与し、人をサポートするところにあり、人を超越し、人に取って代わるものではない」と述べた。

AI技術がさまざまな産業にエネルギー注入

 華為(ファーウェイ)の胡厚崑輪番会長は同会議でのスピーチで、「過去数年間のAIは私たちに技術と応用はキラキラしたものという感じを抱かせたが、今年の同会議ではそれほどキラキラしたものには目にかからなかったようだ」と述べた。

 実際、AIはキラキラしたものではなくなったのでなく、私たちはAI技術に慣れてきたのだ。胡氏は、「AI技術がよく知られるようになり、業界に深く入り込み、十分に応用されるようになった。これはよくあるさして目を引かない変化のようだが、実はAIが有形のものから無形のものへと変わり、各業界を変える力になったことを体現している」と述べた。

 AIが政務サービスと結びついたものとして、上海市の市民サービスホットライン「12345」があり、今や市民の「腹心の友」だ。胡氏は、「上海の人は、何かあれば『12345』に電話するとよく言う。反応が速く、いろいろな質問に答えてくれるからだ。その背後でAIが力を発揮していることが注目される。上海市民サービスホットライン『12345』は最近AI技術を導入し、それには自動通知、音声・意味識別、さらには感情の感知が含まれていた。以前は通知を1件送るのに数分かかっていたのが、今は数秒でできるようになった」と述べた。

 AIと金融業務が結びつくと、銀行業の会計監査・監査部門は金融リスクをより効果的に回避することができるようになる。データサービスの明略科技の展示ブースでは、知識グラフに基づいたリスク会計監査プラットフォームシステムに多くの来場者が集まった。スタッフが操作すると、貸出資金の用途がコンプライアンスに反しているとか、返済能力に疑問があるといった問題が知識グラフにはっきりと表示された。同社の金融事業部の潘宗偉技術ディレクターは、「ビッグデータ技術の急速な発展と応用により、関連のグラフ分析が銀行のリスク管理における重要な手段になった。知識グラフのデータベースを土台に、データ会計監査のマーケットを構築すれば、会計監査部門が財務データを標準化し、情報データの質の完全性、正確性、真実性を保障し、問題発生前に介入してリスクを回避できるようになる」と説明した。

 アルゴリズム、計算力、データによるサポート、応用シーンによるけん引に支えられて、AIはすでに実験室の段階から産業化生産の段階へと移り、さまざまな産業へ徐々に入り込んで、黙々とサービスを提供している。

上海の先端地域でデジタル化モデル転換を

 上海は中国初のAIのイノベーション応用先導エリアで、AIが力強く発展し、バロメーターの役割をになっている。

 この4年間、同会議は中国国内のAI分野で最も強い影響力を持ち、専門的で国際化した高度なプラットフォームになった。多くの優れた企業がこのプラットフォームを通して世界に出て行った。上海市のAI産業発展とも循環連動して、産業プロジェクト導入のために顔を合わせる「リビングルーム」になり、産業成果を展示する「大きな舞台」になり、イノベーションの生態圏を最適化するための「花を咲かせる場所」になり、AIをめぐる「上海の先端地域」を構築するために着実な基礎を打ち立ててきた。

 上海3大先導産業の1つとしてのAI産業は、ここ3年間の年平均増加率が30%に迫る。上海にはAI重点企業が1149社あり、整ったAI産業チェーンをすでに構築している。今後は、「AIの重要段階と重点分野に焦点を当てて、引き続き深く掘り下げ、中身をしっかりつかまえる」ことが、上海AI産業の発展における新たな要求になる鍵となる段階とは何か。重点分野とはどこか。上海は実際の状況を踏まえて重要な突破口を見いだした――都市のデジタル化によるモデル転換だ。

 上海市党委員会の李強書記は、「AIは都市のデジタル化によるモデル転換の中核となる駆動力であり、全面的なデジタル化によるモデル転換はAIに最も豊富な応用シーンと最良の実験場を提供した」と述べた。この判断はAI産業化のために都市のデジタル化によるモデル転換の良好な媒介役を見いだした。都市のデジタル化はAI技術が力を発揮するための先端のコースになり、両者は深く融合し、共存し共同で繁栄することになる。上海はこれからも引き続き経済、生活、ガバナンスの3大デジタル化モデル転換に焦点を当て、製造、商業貿易、医療、教育、交通、政務、文化・スポーツなどの細分化された業界をめぐり、数多くのAIモデル応用シーンを構築し、スマート製品の供給を増やすという。(出所:人民網日本語版)