市場の概要
・働き方改革で注目
・夜の眠り改善で効率アップ
・夢見る眠りでメンタル安定

攻略のポイント
・睡眠のモニタリング(体動、体温、呼吸、脳波)
・質の良い眠りを作るアプリ、サプリ、照明

 スリープマネジメントは日本にとって最も伸びる可能性がある市場である。質の良い睡眠をとる取り組みの総称で、睡眠のモニタリングや改善提案にツールを使うため、スリープテクノロジーとも呼ばれる。

 伸びる理由は日本がとびぬけて睡眠不足の国だからだ。OECDが加盟中33カ国を調べた生活時間調査2019年版(※Excelファイルが開きます)で日本は睡眠時間の短さで1位となった。33カ国平均より1時間も少なかった。

 睡眠の質は経済に大きな影響を与える。非営利研究団体RAND EUROPEが日本の睡眠時間に基づき経済損失を試算したところ、2030年に16.9兆円、GDPの3.3パーセントにもなるという。

 この試算は、睡眠不足の人が仕事を休むことによる損失(アブセンティズム)、出向いても仕事がはかどらないことによる損失(プレゼンティズム)、睡眠時間の短い人の死亡率の高さ、などに基づく。

 これらの結果は各種の研究から明らかになっていた。また日経BP総研が実施した、働く女性の健康調査で「眠れない」という悩みは離職理由の中で大きな要素を占めていた。

 十分な時間、良い睡眠が取れれば生産性の向上が望めるわけで巨大な市場がある。企業が採用にてこずり、時間当たりの生産性を上げなければいけない中で3.3%の効率アップは大きい。

 睡眠の質や量を脳波や体動から把握する。認知行動療法を踏まえたアプリで眠りのリズムや習慣をつくり、睡眠の質・量の改善を促す。空調や照明などでリビングや寝室の環境を整えて質の高い眠りと目覚めができる空間を作る。睡眠を改善する機能性表示食品などのサプリメントも市場を拡大中だ。

 入眠のタイミング、睡眠時の温度や湿度管理、疲労度に合わせた起床提案時間などをセンシングすることでタイミングよく介入する。従来の不眠治療は睡眠導入剤や呼吸補助器などネガティブな状態への対処が中心だった。