市場の概要
・ユーザーの見える化
・食の個別最適化
・医食同源
・代替タンパク質
・ビジネスモデル

攻略のポイント
・世界市場の俯瞰
・エコシステム
・アクション!

 フード(食)とテクノロジーを掛け合わせた造語である。「食のイノベーション」と言い換えることもでき、その対象範囲は、植物由来の「代替肉」、レシピと調理家電の連携、調理ロボット、フードデリバリー、植物工場など幅広い。

 フードテックの勢いを象徴する出来事が2019年の初めにあった。毎年1月に米国ラスベガスで開催される電子機器の見本市CESに、植物由来の代替肉が初めて展示され話題になったほか、フードテック専門のイベントが併催されたことだ。

 CES併催イベントに限らず、世界各地でフードテックをテーマにした新興のイベントが次々に生まれている。米国のテクノロジー系ファンド、ビル・ゲイツ氏や俳優のレオナルド・ディカプリオ氏らエンジェル投資家は、フードテックを手掛けるスタートアップ企業に投資している。

 なぜ今フードテックなのか。背景として、世界規模での人口増加による将来的な食糧危機への不安が挙げられる。さらにQoLの観点から食への関心が高まり、かつ多様化していることがある。加えて、インターネットの普及によって個人の嗜好や活動の「見える化」ができるようになったことも大きい。個人の見える化が進むことで、個人の趣味嗜好、健康状態などに合わせて個別最適化された食事や食関連のサービスが提供されやすくなっている。

 フードテックの市場は巨大だ。2030年に世界の人口は86億人に、2050年には100億人になると言われる。これらの人々すべてが、フードテックの顧客になる。対象が広大であるゆえに、市場を俯瞰し、どこからどのように攻めるかがカギになる。

 人々のニーズを起点とし、ニーズに合致するサービスを提供するのに足りないものは補い合うという新しいエコシステムを作っていく必要がある。健康や生命にかかわるだけに品質を担保することはもちろんだが、ニーズをいち早くとらえて実現に向けて素早く動かないと、大きな変革は起こせないだろう。