オープン化は「その影響を嫌う勢力から揺り戻しの圧力を受けつつある」。

関連リスク:ルール急変
 

 インターネットで人々がつながるようになり、その世界で巨大化した「GAFA」(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)と呼ばれる米国企業4社に対する反動が目につき出した。

 特にグーグル、フェイスブック、アマゾンはインターネット上で利用者がどのような行動をしたか、閲覧や投稿、購買の履歴を記録している。世界経済フォーラム(WEF)は「パーソナルデータはインターネットにおける新しい『石油』になる」と予想し、3社は新資源を手に入れた。

 利用規約を用意し、利用者の合意の上でデータを集めていたわけだが、フェイスブックから8700万人の個人情報が英国の政治コンサルティング会社に流出していたことが明るみに出て、批判する動きがある。例えば欧州委員会はグーグルの検索サービスに対し、地位を乱用しているとして制裁金を課した。 

 GAFAはオープンではないという主張もある。インターネットで人々がオープンにつながる世界が開けたにもかかわらず、GAFAが人々の情報を独占してしまったという指摘である。そこで暗号資産(仮想通貨)のビットコインを支えるブロックチェーンのような、中央集権ではない、分散型テクノロジーを使って真にオープンな世界を作ろうという取り組みもある。

 IT産業の歴史は覇者の交代の歴史である。極端に強い覇者が現れ、覇者に批判が集まり、独禁法の適用などがされる。ただし、実際には批判や独禁法適用はさほど影響を与えず、新しい領域から次の覇者が登場することで前世代の覇者を弱体化させてきた。

 業界2位の企業の総売上高よりも多い利益を上げていた米IBMを弱らせたのは大型コンピューターのライバルではなく、パソコンによる情報化を主導した米マイクロソフトだった。マイクロソフトが一時苦しんだのは、パソコン上ではなくインターネット上のクラウドで処理をする新しい潮流のせいであり、GAFAは新潮流に乗っている。

 IBMもマイクロソフトも絶頂期には、両社が揺らぐことなどまったく想定できないほどの強さを誇っていた。とするとGAFAにも同じことが言える。まだ見えていない新しいトレンドに乗り、4社を覇者の座から引き摺り下ろす次の覇者が登場する可能性は大いにある。

 IBMは企業内の事務処理データを、マイクロソフトは文書作成など個人の情報処理データをそれぞれ押さえたから強いと言われていた。GAFA、特にアップルを除く3社は利用者のネット利用情報を押さえている。だが、利用者は移り気であり、ネットサービスの場合、いとも簡単に乗り換えられる。

 GAFAは脅威であると同時に、一種の経済圏を確立したことで多くの企業に恩恵も与えてきた。アップルへの部品供給、アマゾンを通じた販売、グーグルやフェイスブックを使った広告配信、これらに頼っている企業は少なくない。GAFAの落日が顕在化した場合、経済圏にいる各社は大きな影響を受ける。