従来の延長線上にはない、「非連続の成長」を実現するイノベーション。ここに来て、イノベーションを起こすカギとして、デザインの力に注目が集まっている。
日経BP総研が主催する「経営課題×社会課題解決フォーラム2019~2020」の分科会「デザイン・イノベーション」では、パネリストに日立製作所サービスプラットフォーム事業本部デジタルソリューション推進本部シニアエクスペリエンスデザイナーの豊田誠司氏、堀場製作所コーポレートコミュニケーション室副室長の米澤俵介氏を迎えた。
日立はITソリューションに、そして検査機器という専門的な製品にそれぞれデザインを活用してビジネスを推進している両社。一見デザインと聞くと、コンシューマー製品の差異化をするなどBtoCビジネスのためのツールと思われがちだが、両者ともに「企業が抱える潜在的な課題を発見・解決するためのツールがデザイン。BtoC、BtoBに関わらず、人が関わるあらゆるビジネスに有用」と結論づけた。
こうした考え方に対して、モデレーターを務めた日経BP総研 上席研究員 デザイン・イノベーション・センター長の丸尾弘志による「AIやビッグデータ、IOTなどの登場であらゆるビジネスがデジタルシフトしていく中、ビジネス環境は混迷を極めている。そうした不確実な未来での課題を発見し解決するために、デザインはさらにその役割がますのではないか」という問いかけに対し、豊田氏と米澤氏ともに「デジタルをいかに使いこなすかを考え、新たなサービスを生み出すことこそ、デザインがこれからやるべきこと」と提言、聴講者の賛同を得た。
質疑応答では、デザイン・イノベーションを実現する人材の育成や評価などについて、パネリストと聴講者の間で意見が交わされるなど、大いに盛り上がった。


デザイン・イノベーション・センターでは、12月2日(月)には、ソニー、パナソニック、ディー・エヌ・エーのデザイン部門トップを迎え、「デザインが導くテクノロジーの未来」を開催する。AI、IoT、センサー技術、自動運転など、デザイン視点からのイノベーションについて、取り組みや考え方のヒントを提供する。
お申し込み・詳細はこちら https://www.nikkeibp.co.jp/seminar/atcl/semi/191202/