国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は2019年発行のレポートで、「中国は再エネ超大国に最も近い」と指摘した。太陽光パネルは強気の増産投資で2000年代半ばに日米を一気に抜き去った。中国メーカーの20年の世界シェアは71%。同国は風力発電機でも有力メーカーを多数抱える。その中国が、21年10月に青島市で開催した「第2回一帯一路エネルギー担当大臣会合」で、「手を携えてさらにグリーンで、包摂的なエネルギーの未来に向かおう」と訴えた。「一帯一路」の枠組みを積極利用して目先で海外の天然ガスを活用しながら、風力や太陽光の事業を展開、再エネ電力で水素を製造するプロジェクトなどを提案している。(日経BP 総合研究所)

 エネルギーの分野で近年、重要な破壊的技術が次々誕生し、新技術と新業態、新産業も次々と生まれている。そして、グリーンと低炭素を特徴としたエネルギーのモデル転換が新たな産業革命を牽引している。中国新聞社が伝えた。

 18日と19日に山東省青島市で開催された第2回「一帯一路(the Belt and Road)」エネルギー担当大臣会合は、「手を携えてさらにグリーンで、包摂的なエネルギーの未来に向かう」をテーマに、各界の関係者が、「一帯一路」の「グリーンで低炭素なエネルギーの発展」や「技術革新における協力でエネルギーのモデル転換、発展を加速させる」といった複数の議題をめぐって、一歩踏み込んだ話し合いを行った。

 二酸化炭素(CO2)排出量ピークアウトとカーボンニュートラルの目標達成を目指す中国では現在、エネルギーの低炭素化とモデル転換が目に見えて加速している。世界のエネルギー消費は依然として化石エネルギーをメインとしているものの、新エネルギーの消費の増加ペースも加速している。エネルギーの生産と消費は今後、高炭素エネルギーから低炭素エネルギーへ、再生不可エネルギーから再生可能エネルギーへと方向転換していくことが必然な流れになるとみられている。エネルギーのモデル転換がさらに加速するにつれて、グリーンエネルギーの発展が大きな流れとなっている。

 中国国家エネルギー局の章建華局長は、「中国は各国と共に、『一帯一路』エネルギーパートナーシップのプラットフォームとしての役割を十分に発揮し、エネルギー分野の包括的な協力を一歩踏み込んで推進し、世界経済の包摂的回復にさらに多くの力を提供したいと考えている。中国は今後も、各国とグリーンエネルギーにおける戦略や計画、政策、基準などの面の協力を深化させ、エネルギー技術革新をめぐる協力を展開し、グリーンエネルギー分野の能力構築と技術援助を強化していく。また、必要に応じて、関連国にグリーンエネルギーの技術的援助を提供し、各国のグリーンエネルギー分野の高速発展のために、より多くのサポートを提供していく」と語った。

 国際再生可能エネルギー機関(IRENA) のフランチェスコ・ラ・カメラ事務局長は、「新型コロナウイルス感染症の影響で、世界の経済成長の速度が鈍化しているものの、2020年、世界の再生可能エネルギー発電容量は、依然として予想を超える成長を見せただけでなく、成長幅も過去最高となった。再生可能エネルギーが世界のエネルギーのモデル転換を推進し、グリーンな水素エネルギーや持続可能なバイオマスエネルギーを補完とし、全てのメンバー国や機関、ステークホルダーが手を携えて協力し、共にカーボンニュートラルの未来に向かって歩むことを願っている」と語った。

 では、世界のエネルギー変革が加速し、低炭素で、クリーンなエネルギーの発展が共通の目標となっている今、グリーンエネルギーの発展のためにどのような計画を立てるべきなのだろうか?

 中国海洋石油集団有限公司の董事で、党組の副書記である徐可強氏は、「グリーン油田」、「グリーン製品」、「グリーン産業」という構想を紹介し、「当社は現在、グリーンと低炭素の発展のために、海上天然ガスの低炭素生産に立脚し、『グリーン油田』の構築に取り組んでいる。また、移行期の天然ガスの生産と利用に着目し、『グリーン製品』を打ち出すほか、将来の新エネルギー業界の発展を見据えて、『グリーン産業』の構築にも取り組む」と語った。

 カーボンニュートラルが、世界各国の共通の目標と共通の行動となっているのを背景に、グリーンな「一帯一路」建設の推進は、世界のエネルギーモデル転換、持続可能な発展に対応するために必然的な選択となっている。中国エネルギー建設集団の党委員会委員・常務委員会委員を務める陳暁華副総経理は、「世界のエネルギー発展の最新の構造と新たなトレンドに合わせ、各協力国の資源と産業に基づいて、前向きで、体系的、革新的、かつ効果的なエネルギーのソリューションを提供するべきだ」との見方を示す。

 そして、「テクノロジーイノベーションが、新型電力システムの発展や従来からの電力における低炭素化発展、エネルギー・電力のゼロ炭素発展、プロジェクト建設分野のグリーンな発展、生態環境の持続可能な発展におけるサポートと牽引する役割を強化し、産業と技術、情報の融合を一歩踏み込んで推進し、デジタル産業化と産業デジタル化発展の推進を加速させる必要がある」と強調した。

 CO2排出量ピークアウトとカーボンニュートラルをめぐる目標達成を目指す中、グリーンエネルギー産業チェーンの構築は、グリーンエネルギーの展開にとって非常に重要となる。中国石油化工集団の劉宏斌副総経理は、グリーンエネルギー産業チェーンの構築をめぐり、4つの措置を提案した。1つ目は、従来からの天然ガス業務の低炭素へのモデル転換と高度化を大々的に推進すること。2つ目は、グリーンエネルギーの供給能力を継続的に増強し、水素エネルギーを中心とした新エネルギー業務のより際立った配置を行うこと。3つ目は、二酸化炭素回収・有効利用・貯留(CCUS)プロジェクトを積極的に展開すること。そして4つ目は、新エネルギー業務のグローバル展開を全面的に行うことだ。そして、「一帯一路」イニシアティブに積極的に呼応し、「2種類の資源、2つの市場」を十分に活用し、海外のガス田や精製拠点を活用しながら、風力発電や太陽光発電のテスト事業を展開し、海外業務のグリーンエネルギーの利用割合を向上させ、グリーンな電気で水素を発生させるプロジェクト展開の可能性などを探ることを提案した。

 中国石油化工集団は、世界レベルの精製一体化拠点を複数設置し、2025年をめどに、1ヶ所当たりの生産規模を年間1000万トンにするとともに、2025年をめどに、水素ステーションまたは水素も充填できるガソリンスタンドを1000ヶ所、電気自動車充電・バッテリー交換ステーション5000ヶ所を設置し、中・深層地熱を活用した暖房供給面積を新たに5000万平方メートル増やし、新エネルギーの供給能力を標準炭1000万トン分相当にまで引き上げると計画している。(出所:人民網日本語版)