市場の概要
・ゲノム編集技術により味や効能を高めた農作物
・市場流通はこれから
・輸出拡大の可能性に期待

攻略のポイント
・消費者から理解と支持を得る
・大企業の取り組み

 動植物を問わずゲノム編集技術応用食品の研究が進んでいる。従来の遺伝子組み換えではなく、ゲノム編集によって品種改良された農作物が登場、市場で流通する日が近づいている。

 世界の大手食品メーカーなどが農作物の改良に取り組んでおり、日本では大学発ベンチャーなどが商品化を進めている。

 世界の食市場は拡大の一途をたどっており、2020年には680億円と巨大化すると見られている。ゲノム編集により、味や栄養価、収穫高を改良した競争力のある食品をつくりだすことができれば、縮退気味だった日本の農業を輸出によって成長路線に戻せるかもしれない。

 厚生労働省は日本の農業が世界の先陣を切ることを期待しており、ゲノム編集技術応用食品を販売する前に届け出が必要となる項目を公表、届け出受付を始めようとしている。

 この通りになると届け出だけでよく、遺伝子組み換え食品のように食品やパッケージにゲノム編集技術を使ったと表示する必要はない。

 組み替えた遺伝子を追加するものではないため、従来の品種改良や突然変異と同じである、とみなす考えからだ。

 ただし、何かを人為的に変えたにもかかわらずそのことを示さないまま食品が市場に出ることを不安視する消費者はいるため、ゲノム編集技術応用食品がどう受け入れられるか、不透明なところもある。

 日本の場合、大学や大学発ベンチャーが取り組んでいる例が多く、どのように産業として育てていくかも課題となる。

 なお、ゲノム編集技術応用食品や農作物が受け入れられると、既存の農作物を代替してしまう可能性がある。その際、既存の原種の保存をどうするか、という課題も出てくる。