市場の概要
・ 2016 年以降、毎年過去最高を記録
・バーチャルでは代替できない体験

攻略のポイント
・テクノロジーを活かした新タイプの演目
・外国人観光客の取り込み
・プロモーションとチケット購入法の進化

 デジタル化した社会の中で、アナログ的と思われていた「ライブエンターテインメント」市場が着実に大きくなっている。2018年の国内市場規模は、ぴあ総研が調査を開始した2000年当時の約2倍に達した。ネットやバーチャル空間では代替できない体験を提供するライブは今後も右肩上がりで成長していく。

 その場その時でないと味わえないライブを体験したい、これは人間本来の欲望だからである。エンターテインメントは本来、非日常を味わうのことが商品価値だった。いつでもどこでもコンテンツを楽しめるとはいえ、ディスプレイの中にとどまっているなら本物への欲望を満たせるとは限らない。モノもサービスもあふれる社会で人々が特に欲しいと思う商品はなくなりつつあり、モノ消費からコト消費への変化が起きている。ライブはコト消費の典型である。

 さらに2つのキーワードがある。第一はIR(統合型リゾート)である。IR推進法が成立し、日本でも3つの施設がオープンすることが固まった。周辺整備も含め投資額は各々1兆円規模になると言われている。IR推進法をカジノ法と呼ぶことがあるが、IRの面積の大半はホテル、コンベンション施設、ショッピングモールで占め、集客装置はライブエンターテインメントである。カジノの面積はIR全体の3パーセント未満と決まっている。米国のラスベガスが1990年代に飛躍的に伸びたのは、デビッド・カッパーフィールドのようなマジック、シルク・ド・ソレイユのようなサーカスなど、家族で楽しめる新しいライブが登場し、人気を博したことが大きい。最近ではミュージカルがIRの定番になっている。

 第二は外国人観光客である。訪日観光客を政府は4000万人に拡大すると言う。予想されるのが、ナイトタイムエコノミーの拡充とエンターテインメントの充実だ。すでに新宿のロボットレストランや豊洲のチームラボ・プラネッツは、テクノロジーと融合した新しいエンターテインメントとして外国人から大人気になっている。漫画やアニメ、ゲームが原作の歌舞伎やミュージカルには言葉のハンデを埋める工夫をした演目が生まれつつあり、海外からの観光客も集まる。